新華網マドリード6月14日(記者/馮俊偉)スペインのシンクタンク、ガリシア国際研究所所長、スペイン中国政策観察センター主任のジュリオ・リオス氏は13日、新華社記者の独占インタビューに応じた際、南中国海の関連紛争を解決する鍵は一方的な仲裁ではなく、対話と協議にある。協議は理解を強化する上で役に立ち、仲裁は紛争をエスカレートさせるだけだ。法律の角度と実際の効果から見ると、一方的な仲裁は無効だと語った。
リオス氏は「仲裁にどのような結果が生じても、その法律的価値と実際的意義はいずれもゼロだろう」との見方を示している。
リオス氏は、海洋境界線紛争に対して、中国は2006年に『国連海洋法条約』第298条に基づいて排除性声明を行っており、海域境界画定などの面に及ぶ紛争は、『条約』上規定された第三者による紛争解決手続きの外に排除されると説明している。
リオス氏は更に次のように指摘した。国際法によると、全ての仲裁事項を執行する基礎としては、当事者である双方がいずれも仲裁の受け入れを望むと事前に表明し、国際裁判所の支援のもとで、平等の原則に則り、一方が弁護できないのを避けるため、双方が紛争解決案の策定に参与し、また当事者の双方がその進捗を適時に理解できるよう保証することが必要とされる。
リオス氏は次のように語った。米国はいわゆる「南中国海の航行の自由」を理由に、南中国海地域に海・空軍の軍力を頻繁に派遣し、『条約』の中の第三者が沿岸諸国の法律と法規を必ず遵守せねばならないという規定を踏みにじった。米国が南中国海で軍事活動に従事する頻度が増加したことは、この地域で軍事事件が起きるリスクを大幅に高めている。
リオス氏は更に次のように語った。南中国海地域における一部の問題の解決が比較的複雑で困難なことから、仲裁裁判所が今できることは、これらの問題を解決する条件がまだ備わっていないと宣言することだ。とにかく、仲裁は問題を解決できないだけでなく、逆に長期的且つ複雑な法律戦をもたらす恐れがあり、また当地域の緊張した情勢をエスカレートさせるだろう。
(新華社より)
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