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中国でドキュメンタリーが次々にヒット その理由は?
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-06-14 14:45:23 | 人民網日本語版 | 編集: 薛天依

中国医薬をテーマにした中国のドキュメンタリー番組「本草中国(The Tale Of Chinese Medicine)」が5月20日から毎週金曜日に放送されている。神秘的な中国医薬が生き生きと描かれる同番組は瞬く間に人気を集め、中国の伝統文化である中国医学の継承者が堅く守る信念や彼らの生薬のような素朴でピュアな感情に、視聴者は心を打たれている。人民日報海外版が報じた。

また今年初めには「我在故宮修文物」というタイトルのドキュメンタリー番組が予想外のヒットとなり、ネット上でも大きな話題となった。全3回の同番組では、北京の人気観光スポット・故宮の文化財を修復する職人とその過程に迫っており、高視聴率を記録。ネットユーザーの間では、「故宮の人材募集広告」と称された。

このことから2012年と2014年に放映された料理ドキュメンタリー「舌の上で味わう中国」が大ヒットし、ドキュメンタリーブームを巻き起こしたことが思い出される。同番組は、中国各地のグルメをさまざまな角度から取材し、その背後にある儀式や倫理、民族の特徴などを紹介し、視聴者は今までなかったフレッシュな感覚で同番組を楽しんだ。

多様化する視聴者のニーズに応える

「中国ドキュメンタリー発展研究報告2016」によると、15年、中国のドキュメンタリー業界への投資は30億2400万元(約484億円)に達し、総収入は46億7900万元(約749億円)と、14年に比べて大幅成長となった。ドキュメンタリー専門のチャンネルや衛星チャンネルのドキュメンタリー放送時間は同年、前年比0.8%増の計約7万6400時間、そのうち、初放送の番組は同比3.9%増の計約2万4000時間だった。ドキュメンタリーのクオリティも改善しており、多様化する視聴者のニーズに対応できるようになっている。

中国伝媒大学電視学院の秦瑜明教授は、「ドラマ、バラエティ、ニュースなどは常に中国で主要な地位を争ってきた。メディアを総括する中国国家新聞出版広播電影電視(ラジオ・映画・テレビ)総局が、テレビや映画の低俗化に歯止めをかける『限娯令』を制定したり、1本のドラマ作品を二つの衛星放送局だけに放送させる『一劇両星』政策を打ち出したりしたことがかえってドキュメンタリーにとっては、発展のための理想的な空間を生み出すことになった。バラエティ番組には、視聴者を楽しませるという位置付けがあるが、視聴者には文化やアートに対するニーズもあるため、ドキュメンタリーはちょうどそのニーズに応えることができる」と、前述のドキュメンタリー番組が人気となったことは決して意外でないとの見方を示した。

特筆すべきは、ドキュメンタリーの視聴者が若年化し、若者の間で人気となっている点だ。「我在故宮修文物」は、1990年代生まれの人々が利用するユーザーのコメントが画面上に流れる動画共有サイトで人気となり、「舌の上で味わう中国」から生まれた「舌尖スタイル」というナレーションを真似ることも若者たちの間でブームになった。

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新華網日本語

中国でドキュメンタリーが次々にヒット その理由は?

新華網日本語 2016-06-14 14:45:23

中国医薬をテーマにした中国のドキュメンタリー番組「本草中国(The Tale Of Chinese Medicine)」が5月20日から毎週金曜日に放送されている。神秘的な中国医薬が生き生きと描かれる同番組は瞬く間に人気を集め、中国の伝統文化である中国医学の継承者が堅く守る信念や彼らの生薬のような素朴でピュアな感情に、視聴者は心を打たれている。人民日報海外版が報じた。

また今年初めには「我在故宮修文物」というタイトルのドキュメンタリー番組が予想外のヒットとなり、ネット上でも大きな話題となった。全3回の同番組では、北京の人気観光スポット・故宮の文化財を修復する職人とその過程に迫っており、高視聴率を記録。ネットユーザーの間では、「故宮の人材募集広告」と称された。

このことから2012年と2014年に放映された料理ドキュメンタリー「舌の上で味わう中国」が大ヒットし、ドキュメンタリーブームを巻き起こしたことが思い出される。同番組は、中国各地のグルメをさまざまな角度から取材し、その背後にある儀式や倫理、民族の特徴などを紹介し、視聴者は今までなかったフレッシュな感覚で同番組を楽しんだ。

多様化する視聴者のニーズに応える

「中国ドキュメンタリー発展研究報告2016」によると、15年、中国のドキュメンタリー業界への投資は30億2400万元(約484億円)に達し、総収入は46億7900万元(約749億円)と、14年に比べて大幅成長となった。ドキュメンタリー専門のチャンネルや衛星チャンネルのドキュメンタリー放送時間は同年、前年比0.8%増の計約7万6400時間、そのうち、初放送の番組は同比3.9%増の計約2万4000時間だった。ドキュメンタリーのクオリティも改善しており、多様化する視聴者のニーズに対応できるようになっている。

中国伝媒大学電視学院の秦瑜明教授は、「ドラマ、バラエティ、ニュースなどは常に中国で主要な地位を争ってきた。メディアを総括する中国国家新聞出版広播電影電視(ラジオ・映画・テレビ)総局が、テレビや映画の低俗化に歯止めをかける『限娯令』を制定したり、1本のドラマ作品を二つの衛星放送局だけに放送させる『一劇両星』政策を打ち出したりしたことがかえってドキュメンタリーにとっては、発展のための理想的な空間を生み出すことになった。バラエティ番組には、視聴者を楽しませるという位置付けがあるが、視聴者には文化やアートに対するニーズもあるため、ドキュメンタリーはちょうどそのニーズに応えることができる」と、前述のドキュメンタリー番組が人気となったことは決して意外でないとの見方を示した。

特筆すべきは、ドキュメンタリーの視聴者が若年化し、若者の間で人気となっている点だ。「我在故宮修文物」は、1990年代生まれの人々が利用するユーザーのコメントが画面上に流れる動画共有サイトで人気となり、「舌の上で味わう中国」から生まれた「舌尖スタイル」というナレーションを真似ることも若者たちの間でブームになった。

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