:
南中国海断続線内における中国の歴史的権利の否定は許されない
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-05-24 09:26:17 | 人民網日本語版 | 編集: 吴寒冰

 南中国海仲裁裁判において、フィリピンは訴状で10数項目の仲裁要請をした。このうち第1項と第2項の要請は、南中国海断続線内における中国の歴史的権利が1982年の国連海洋法条約(以下略称「条約」)に違反するとの裁決を仲裁裁判所に求めることで、南中国海における中国の権利の合法性を否定することが目的だ。仲裁手続き全体を通じて、フィリピンはこのために事実を歪曲し、中国の歴史的権利について憶測で判断したうえ、条約を誤って解釈した。(人民日報「鐘声」国際論評)

 フィリピンは基本的な歴史の事実を顧みず「歴史上中国人は南中国海で活動しておらず、南中国海の歴史的結びつきを欠く」とでたらめを言い触らした。だが、歴史の否定は許されない。中国人の南中国海での活動にはすでに2000年余りの歴史がある。中国は南中国海諸島を最も早く発見し、命名し、開発・経営した。中国歴代政府は行政区域の設置、軍事巡航、海難救助などの方法で南中国海諸島及びその周辺海域を管轄した。第2次世界大戦時に日本が中国の西沙(英語名パラセル)諸島、南沙(英語名スプラトリー)諸島を侵略して占領した。第2次大戦終結にあたり、カイロ宣言とポツダム宣言は窃取した中国領土の返還を日本に明確に要求した。中国はこのために軍政幹部を派遣して西沙諸島、南沙諸島を取り戻したうえ兵を駐屯し、南中国海諸島及びその周辺海域に対する主権行使を回復した。

 南中国海諸島及び南中国海断続線内における中国の歴史的権利を分断し、海域に対する中国の歴史的権利について軽率な結論を出すフィリピンの主張は条約成立から27年後の2009年になって初めて打ち出されたものだ。これは南中国海における中国の歴史的権利に対する悪意ある解釈だ。中国政府が繰り返し強調しているように、南中国海諸島及びその海域に対する中国の主権と権利は長期間の歴史過程の中で形成されたものであり、歴代中国政府によって長期間堅持されてきた。1947年、中国政府は地理測量を経て南中国海諸島に対して新たに名称を付けた。1948年、中国政府は公に刊行している地図で南中国海断続線を描き、南中国海における主権と権利を重ねて示し、確認した。1949年10月1日以来、中国政府は南中国海における歴史的権利を堅持し、実際の行動によって積極的に維持してきた。

 フィリピンは中国の歴史的権利を分断するため、「南中国海断続線内海域における中国の権利は条約に基づき法的効力を備えない」とのでたらめも言い触らしている。だが、締約過程において条約起草者は国が長期間の実践を通じて一般的な国際法上取得した歴史的権利が複雑多様であることを考慮して、様々な歴史的権利について統一規定を設けるのは適切でないとした。歴史的権利は条約の未調整事項として、引き続き慣習国際法の調整を受ける。南中国海における中国の主権と権利は、条約に先立ち、かつ一般的な国際法に基づき形成された歴史的権利だ。条約は中国の歴史的権利の法的効力を判断する基準ではない。仲裁裁判所にも、条約の規定を超えて、慣習国際法に基づく歴史的権利について、むやみに断言する権利はない。

 フィリピンは仲裁手続きにおいて、偏向した学者の見解を数多く援用し、南中国海における中国の歴史的権利に関する政府の立場とその他の事実を虚構した。学者の発表した個人の見解が、どうして一国の政府が表明した法的立場の証明に用いることができるだろうか。ましてや偏向した学者の発表した見解は、事実の客観的証拠にはなり得ない。いかなる公正で厳粛な国際司法手続きにおいても、個人の学術論文を案件事実の証拠として採用することはできない。また、中国にはフィリピンの主張と相反する事実を証明する数多くの史料と公文書がある。仲裁手続きにおけるフィリピンのこうした行為は南中国海仲裁裁判という茶番を一層でたらめなものにするだけであり、紛争の平和的解決に関する条約の規定の権威性も損なった。

 南中国海における中国の歴史的権利がフィリピンの事実歪曲によって否定されることはない。南中国海における中国の歴史的権利がフィリピンが条約の規定を乱用した仲裁手続きによって減損されることはない。南中国海における中国の歴史的権利は依然一般的な国際法による調整を受け、終始条約によって尊重される。

 

(人民網日本語版)

 

関連記事:

南中国海仲裁案:法律の衣をまとった政治的茶番劇

人民日報「鐘声」:真実は永遠に一つだけ——南中国海仲裁案における中国とフィリピン側の歴史的な証拠の使用について

(新華視点)フィリピンの南中国海仲裁案に関する9つの問題

 

新華網日本語

南中国海断続線内における中国の歴史的権利の否定は許されない

新華網日本語 2016-05-24 09:26:17

 南中国海仲裁裁判において、フィリピンは訴状で10数項目の仲裁要請をした。このうち第1項と第2項の要請は、南中国海断続線内における中国の歴史的権利が1982年の国連海洋法条約(以下略称「条約」)に違反するとの裁決を仲裁裁判所に求めることで、南中国海における中国の権利の合法性を否定することが目的だ。仲裁手続き全体を通じて、フィリピンはこのために事実を歪曲し、中国の歴史的権利について憶測で判断したうえ、条約を誤って解釈した。(人民日報「鐘声」国際論評)

 フィリピンは基本的な歴史の事実を顧みず「歴史上中国人は南中国海で活動しておらず、南中国海の歴史的結びつきを欠く」とでたらめを言い触らした。だが、歴史の否定は許されない。中国人の南中国海での活動にはすでに2000年余りの歴史がある。中国は南中国海諸島を最も早く発見し、命名し、開発・経営した。中国歴代政府は行政区域の設置、軍事巡航、海難救助などの方法で南中国海諸島及びその周辺海域を管轄した。第2次世界大戦時に日本が中国の西沙(英語名パラセル)諸島、南沙(英語名スプラトリー)諸島を侵略して占領した。第2次大戦終結にあたり、カイロ宣言とポツダム宣言は窃取した中国領土の返還を日本に明確に要求した。中国はこのために軍政幹部を派遣して西沙諸島、南沙諸島を取り戻したうえ兵を駐屯し、南中国海諸島及びその周辺海域に対する主権行使を回復した。

 南中国海諸島及び南中国海断続線内における中国の歴史的権利を分断し、海域に対する中国の歴史的権利について軽率な結論を出すフィリピンの主張は条約成立から27年後の2009年になって初めて打ち出されたものだ。これは南中国海における中国の歴史的権利に対する悪意ある解釈だ。中国政府が繰り返し強調しているように、南中国海諸島及びその海域に対する中国の主権と権利は長期間の歴史過程の中で形成されたものであり、歴代中国政府によって長期間堅持されてきた。1947年、中国政府は地理測量を経て南中国海諸島に対して新たに名称を付けた。1948年、中国政府は公に刊行している地図で南中国海断続線を描き、南中国海における主権と権利を重ねて示し、確認した。1949年10月1日以来、中国政府は南中国海における歴史的権利を堅持し、実際の行動によって積極的に維持してきた。

 フィリピンは中国の歴史的権利を分断するため、「南中国海断続線内海域における中国の権利は条約に基づき法的効力を備えない」とのでたらめも言い触らしている。だが、締約過程において条約起草者は国が長期間の実践を通じて一般的な国際法上取得した歴史的権利が複雑多様であることを考慮して、様々な歴史的権利について統一規定を設けるのは適切でないとした。歴史的権利は条約の未調整事項として、引き続き慣習国際法の調整を受ける。南中国海における中国の主権と権利は、条約に先立ち、かつ一般的な国際法に基づき形成された歴史的権利だ。条約は中国の歴史的権利の法的効力を判断する基準ではない。仲裁裁判所にも、条約の規定を超えて、慣習国際法に基づく歴史的権利について、むやみに断言する権利はない。

 フィリピンは仲裁手続きにおいて、偏向した学者の見解を数多く援用し、南中国海における中国の歴史的権利に関する政府の立場とその他の事実を虚構した。学者の発表した個人の見解が、どうして一国の政府が表明した法的立場の証明に用いることができるだろうか。ましてや偏向した学者の発表した見解は、事実の客観的証拠にはなり得ない。いかなる公正で厳粛な国際司法手続きにおいても、個人の学術論文を案件事実の証拠として採用することはできない。また、中国にはフィリピンの主張と相反する事実を証明する数多くの史料と公文書がある。仲裁手続きにおけるフィリピンのこうした行為は南中国海仲裁裁判という茶番を一層でたらめなものにするだけであり、紛争の平和的解決に関する条約の規定の権威性も損なった。

 南中国海における中国の歴史的権利がフィリピンの事実歪曲によって否定されることはない。南中国海における中国の歴史的権利がフィリピンが条約の規定を乱用した仲裁手続きによって減損されることはない。南中国海における中国の歴史的権利は依然一般的な国際法による調整を受け、終始条約によって尊重される。

 

(人民網日本語版)

 

関連記事:

南中国海仲裁案:法律の衣をまとった政治的茶番劇

人民日報「鐘声」:真実は永遠に一つだけ——南中国海仲裁案における中国とフィリピン側の歴史的な証拠の使用について

(新華視点)フィリピンの南中国海仲裁案に関する9つの問題

 

010020030360000000000000011100551354007221