米国国際貿易委員会(ITC)は26日、宝鋼、首鋼、武漢鋼鉄、鞍山鋼鉄などの中国鉄鋼メーカーとその米国支社計40社が米国で販売する炭素鋼製品および合金鋼製品に対し、337調査(ITCが1930年に可決した「関税法」第337条に基づき、外国産製品に知的財産権の侵害行為がないかどうかを調べる調査)を発動することを明らかにした。新華社が伝えた。
ITCが同日発表した声明によると、米国の鉄鋼メーカーは今年4月26日、ITCに訴えを寄せ、上記40企業が米国でひそかに製品価格を改訂したり、生産量と輸出量の調整を行ったり、また米鉄鋼メーカーの貿易上の秘密を違法に使用したり、原産地やメーカーについて虚偽の評価を行ったりして、「関税法」第337条に違反したと指摘。ITCに対し、337調査を発動し、40企業に恒久的排除命令、限定的排除命令、禁止令を下すよう求めた。
商務部(商務省)貿易救済調査局の責任者は同日コメントを発表し、「米国が中国から米国に輸入された炭素鋼製品および合金鋼製品を対象として337調査の発動を決定したことに対し、中国は断固たる反対と強い不満を表明する」と述べた。
同責任者は、「米国が最近、鉄鋼製品を対象に立て続けに貿易救済措置を発動しているのは、慎重な行為とはいえない。今回のさらに前例のない中国鉄鋼製品に対する337調査発動は、明らかに貿易保護主義の色合いを帯びている。中国は、貿易保護措置を簡単にかつ頻繁に採用すれば、米鉄鋼産業が一時的に直面する困難を根本的に解決するのにプラスにならないどころか、かえって正常な貿易秩序を人為的に乱すことになるだけだと考える」と述べた。
また同責任者は、「現在、鉄鋼産業が直面する経営の困難や生産能力過剰などの問題は、グローバル経済の成長力不足や需要不振によりもたらされたもので、各国が共同で対策を練る必要がある。中国は自国企業が法律に基づいて抗弁することを奨励し、この案件の進展に密接に関心を寄せ、世界貿易機関(WTO)のルールにあくまでも則って中国鉄鋼メーカーの正当な権利を保護していく」と述べた。
米シンクタンクのケイトー研究所のシニア研究員でITC前委員長のダニエル ピアソン氏は、「諸々の貿易救済措置では米国鉄鋼産業が抱える問題を根本的に解決することはできない。それどころか米国内の鉄鋼製品価格を上昇させ、米国製造業の生産コストを増大させ、最終的には米国全体の経済的利益を損なうことになる」と指摘する。
337調査はこれまでたびたび大がかりな改訂が行われてきた。関連のプロセスに基づき、ITCは337調査発動後、45日以内に最終決定を下す時期を確定し、迅速に調査を終えなければならない。通常の案件であれば、1年以内に最終決定を下すことになる。調査の対象となった企業が337条に違反していると裁定された場合、ITCは関連製品の排除命令や禁止令を下し、そうなるとこの商品は米国市場に参入する資格を完全に喪失することになる。
(人民網日本語版)
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