新華網北京5月30日(新華社記者/劉華)政治的に騒ぎ立てることに熱心なフィリピンの政治家らは多かれ少なかれ望み通りになった。フィリピンが一方面に提起した南中国海仲裁案は近く最終「裁决」が下され、域外勢力が挑発し、声高に叫ぶ中で、この本来より非合法の「仲裁案」は国際法の名を借りて、堂々と国際的な舞台で上演される。しかし、国際的な有識者は南中国海仲裁案は本質的に法律と無関係で、世の人々の目を欺く政治的な茶番劇に過ぎないことを十分に見透している。
フィリピンが提起する南中国海仲裁案は本来、非合法だ。フィリピンが『国連海洋法条約』に照らして提示した仲裁訴求は、実質的には領土主権と海域境界画定の問題になっている。国際法の常識を知る少数の人々は、領土主権は条約の調整範囲に属さず、中国も2006年に条約の規定に照らして排他的な声明を発表し、海域境界画定などの事項に関する紛争は強制的な紛争解決手続きの外に排除されることを理解している。類似する声明を計約30カ国が発表しており、中国を除く英国、フランス、ロシアなどを含むその他の3カ国は条約に加盟する国連安全保障理事会の常任理事国となっている。
仲裁裁判所が仲裁手続きを推進することは、公平な正義と法治の精神に背く。フィリピンの一方面的な申し立てに応じて一時的に設置された南中国海仲裁案の仲裁裁判所は事実の真相をそのまま放置し、フィリピン側の根拠のない主張を受け入れることに固執し、 仲裁手続きを強引に推進したことは、独断の権利の拡大と乱用になる。仲裁裁判所のやり方は中国とフィリピンの矛盾を大きくするだけでなく、且つ国際及び地域の海洋秩序の安定に影響を及ぼし、条約の完全性と権威性を損なわせた。
さらに深く考えさせられることは、以前から自国の利益が国際法を上回る米国は、域外国家として、自国が条約に加盟しないの情况で、意外なことに、フィリピンの南中国海仲裁案の茶番劇を支持しており、中国に対しいわゆる「仲裁」の結果を受け入れるように求めている。近年、推進してきた「アジア太平洋リバランス」戦略と結びつけると、その隠された目的は誰の目にも明らかだ。仲裁案は政治と無関係で、人々を納得させることはおそらく難しいと言える。
直接の当事国が領土と海洋権益の紛争を対話と協議を通じて解決してはじめて、南中国海の関係紛争を処理し、地域の平和と安定を擁護する唯一の正確で切実な実行可能なルートになる。南中国海仲裁案で立てた「波風」は、中国の南中国海諸島及びその近くの海域で主権を有する歴史と事実を断じて変えることはなく、中国が国家主権と海洋権益を擁護する決意と意志を動揺させることはなく、中国が直接的な交渉を通じて関係紛争を解決し、本地域の国とともに南中国海の平和の安定を共同で擁護する政策と立場に影響を及ぼすこともない。
(新華社より)
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