米国のカーター国防長官は先ほど、南中国海で任務遂行中の空母「ジョン・C・ステニス」に乗艦した。本件は広く注目を集め、AP通信などのメディアから、中国の南中国海における「軍事建設」への不満を示したとされた。
米国は実際に昨年より、南中国海問題で何度も茶番を演じている。
「武力誇示」は、その茶番の大トリだ。米国はミサイル駆逐艦「ラッセン」を派遣し、中国の南沙島礁付近の海域に違法進入した。B-52爆撃機は「ミス」により、中国の島礁に接近した。カーター氏も自らゲスト出演した。米軍は高圧的な態度を示している。
「友好のアピール」は、何度見ても飽きられない茶番だ。一部の西側メディアは、カーター氏の今回の乗艦についてわざわざ些細な点に焦点を絞り、カーター氏がフィリピン国防相と共にV-22「オスプレイ」に乗り空母に向かったことを強調した。米比の南中国海における「内外呼応」が、新たな高みに達した。
「道義のアピール」も、茶番に必要な内容だ。米軍は中国に強硬な姿勢を示しながら、いわゆる「航行の自由」を守ると声を大にしている。中国に「国際法の順守」を求め、平和的な手段による係争の解決を呼びかけている。米国は自らを「道徳的模範」にしようと躍起になっている。
念入りな演出は、実際には国益を目的としている。
まず、米国の直接的な目的は、中国の南中国海における活動の妨害だ。米国は南中国海の主権問題で特定の立場を持たないと口にしているが、実際の行動では何度も肩入れしている。フィリピンなどの国による挑発行為について、米国は見て見ぬふりを決め込んでいるが、中国の正当な活動についてはいちゃもんをつけ、妨害している。中国を警戒する意図を露呈している。
次に、南中国海は米国にとって、アジア太平洋における地位に影響を及ぼす。米国の実力は近年、相対的に低下している。地域の同盟国の要請に応じられないばかりか、戦略を実施するため同盟国の力を借り、職責を分担させている。米国は中国の脅威を誇張し、フィリピンの後ろ盾になることで、威信をアピールし、同盟の重要性を強調できる。これまで米国は地域の同盟国に対して、南中国海の巡航に加わるようそそのかしてきた。しかし日本やオーストラリアなどの国は、慎重な態度を示している。米国はメンツを取り戻すため、フィリピンを抱き込まざるを得なくなった。フィリピンは実質的な力を発揮できないが、米国はこれにより南中国海問題を巡る同盟の力を拡大し、台頭する中国の地域に対する「リーダーシップ」を弱めようとしている。
しかしながら、米国が必死に演技しても、中国をどうすることもできない。中国の南中国海における任務はすでに成果を手にしており、このまま計画通りに進められる。
国防部のウェブサイトが発表した情報によると、中央軍事委員会の範長龍副主席が南沙の関連島礁を視察し、駐留部隊と労働者を見舞い、南中国海の島礁の関連施設の建設状況を視察した。中国は、▽中国の主権範囲内の活動に対して、いかなる国にもいちゃもんをつける権利はない▽中国は平和的発展を堅持し、南中国海の平和を守り、より多くの公共財を提供する▽中国は主権・権益を守る決意と能力を持つ――という3つの姿勢を示した。中国は強権を恐れず、ましてや空威張りを恐れることもない。他国は中国の立場への判断を誤るべきではない。
カーター氏は空母に乗艦した際に、米国は「南中国海の平和と安定」を守り続けていると述べた。米国は言行不一致を続けるべきではない。(蘇暁暉 中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長)
(チャイナネット)
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