南中国海は最近、穏やかではない。一部の域外国が南中国海問題に横槍を入れ、艦艇、航空機、作戦人員を派遣している。合同訓練の旗印を掲げながら堂々と南中国海に入り、軍事的存在感を示し、一部の良からぬ意図を持つ域内国の後ろ盾になっている。
世界は南中国海の武力衝突を懸念している。ロシアのニェザヴィーシマヤ・ガゼータ紙は社説の中で、「米国が緊張情勢を作り、南中国海問題をG7外相会合に盛り込んだが、これは当初から計画されていたことだ。米日などは国際社会に自国の存在感を示し、中国の神経を逆なでし、南中国海という清らかな水を最大限に濁らせようとしている」と名指しで批判した。
米国が南中国海への介入を大々的に宣言したことには、深い戦略的な狙いがある。南中国海問題は、米国が「アジア太平洋リバランス」を推進する口実になった。アナリストは、「米国はアジア太平洋リバランス戦略の実施に力を入れ、アジア太平洋および世界における主導的な地位を守ろうとしている」と指摘した。米国側は「中国けん制」の意図を否定し続けているが、この戦略が中国を念頭に置いていることは誰の目にも明らかだ。
東中国海で中国への挑発を繰り返す日本の安倍政権は、南中国海問題への介入により、中国と対立する盟友を探し、中国を包囲しようとしている。南中国海の「緊張」を誇張することで国民を騙し、国民の反対を無視し安保法を強行採決したメンツを取り戻そうとしている。また中国と国際社会の視線を南中国海に向けることで、日本の東中国海方面の圧力を軽減しようとしている。
「助っ人」の応援により、中国の領土への不法占拠を強化・拡大しようとしてきたフィリピンは、我が物顔で振舞っている。フィリピン首脳は二国間・多国間の場において南中国海問題を熱心に取り上げ、緊張情勢を誇張し、自国の政治的意図と米日の南中国海における戦略的意図と結びつけることで、それぞれの需要を満たそうとしている。
しかしこれらの国は、最も根本的で重要な事実、つまり中国の意志と力を見落としているようだ。ラブロフ外相は先ほど南中国海問題に言及した際に、「南中国海問題のすべての当事国は、双方が受け入れられる政治的・外交的な解決策を模索し続けるべきであり、直接的な当事国以外は、すべての干渉の手段と問題を国際化させる意図を捨てるべきだ。南中国海問題を騒ぎたて、これを国際化させようとする意図は何の役にも立たない」と指摘した。
南中国海は資源が豊富で、域内国の人々が生きるため必要だ。南中国海はまた、東アジアと世界を結ぶ重要なルートだ。中国は南中国海問題で、率直な立場を表明してきた。中国は約束を重んじる責任ある国であり、直接的な当事国との交渉と協議による関連係争の解決に力を尽くしてきた。また中国政府の領土・主権および海洋権益を守る意志は、確固不動たるものだ。
中国は長年に渡り、アジア太平洋の協力に積極的に参与し、これを推進することで、建設的な力を発揮してきた。世界の経済成長が原動力を失うという課題を迎え、各国は長所を発揮し、手をつなぎ協力するべきだ。
南中国海の平和と安定の維持は、各国の利益に合致する。一部の国は自国の利益のために、南中国海を「係争海域」「問題海域」にしようとしているが、これは短絡的かつ自己中心的で、自国と他国を損ねる行為だ。南中国海を「平和の海」「繁栄の海」にすることが、唯一の正しい道だ。率直な対話により、多くの共通認識を形成し、多くの問題を解消し、多くの成果を共有する。協力とウィンウィンを軸とする新型国際関係を構築する意志を、着実な行動に変えなければならない。
(チャイナネット)
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