人々に最も良く知られている最適の睡眠時間は、1日当たり7−8時間ほどとなっている。睡眠時間が足りなければ、本当に生活のリズムが狂ってしまうのだろうか?中国科学報が伝えた。
米国立睡眠財団(National Sleep Foundations,NSF)は、6人の睡眠専門家によるチーム、米国小児科学会(AAP)などの組織の12人の医学専門家を集め、各年齢層の睡眠状況の研究を行った。これにより各年齢層の推奨睡眠時間が初めて明らかにされた。3ヶ月未満の新生児の推奨睡眠時間は14−17時間、4−11ヶ月の乳児は12−15時間、1−2歳の幼児は11−14時間、3−5歳の児童は10−13時間、6−13歳の学齢期の児童は9−11時間、14−17歳の青少年は8−10時間。今回の研究では18−25歳の若者が追加されたが、その推奨睡眠時間は26−64歳の成人と同じ7−9時間となった。65歳以上の高齢者は7−8時間。
とは言え、最も重要なのは睡眠の質だ。米睡眠医学会(AASM)のメンバーであるRaj Dasgupta氏は、大多数の人の毎晩の睡眠時間は、2055年までに8時間から5時間に短縮されると予想した。そのうち重要な点は、睡眠効率の向上だ。シカゴ大学が2006年に実施した調査によると、人々の平均睡眠時間は1970年代と比べ1時間短くなり、6時間前後となっている。睡眠時間は短くなったが、質は向上した。短い時間で眠り、深い睡眠を実現できるようになったのだ。
さらに人類の睡眠時間を、親戚と呼べる霊長類と比べてみよう。米デューク大学の生物学博士のDavid Samson氏は論文の中で、人類の7時間という睡眠時間は、21種の霊長類の半分のみだと指摘した。人類が猿人から進化したという観点によると、人の睡眠効率はほぼ2倍になっている。
冬になると睡眠時間が変化するのはなぜだろうか?Raj Dasgupta氏は、冬は日照時間が短く、メラトニンを抑制する自然光が減るため、体内リズムが乱れると指摘した。メラトニンは睡眠の状態を整えるホルモンで、休息を取るよう体に促す力を持つ。日照時間が長い季節であれば、メラトニンが日没後に生まれ眠る準備に入るが、日照時間の短い冬ならば早めに準備に入ることになる。
(人民網日本語版)
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