日本の大学生の就職活動は以前、(4年生の)4月1日から始まるのが恒例だった。だがここ数年、日本の大学生らは、就職活動の始まる時期が早すぎ、論文や授業に集中できないと抗議し始め、矛盾が明らかとなっていた。同時に日本政府も、就職活動の時期が学生の学業に影響していることを認め、選考開始の時期を繰り下げるよう経団連に強く求めた。そのため経団連は、2015年の新卒採用の選考開始時期を4カ月繰り下げ、8月1日からとするよう加盟企業に求めていた。新華僑報が伝えた。
だがこの繰り下げは、予期していた効果を上げられていないだけでなく、就活中の学生と企業の不満を生んでいる。「毎日新聞」の最近の報道によると、今年は就活時期が例年に比べて4カ月繰り下げられたものの、新卒者の選考にあたって企業の足並みは一致していない。一部の企業は繰り下げを無視して早くから選考を始め、学生もチャンスを逃すものかとやはり早い時期に就活を始めている。
今年の就職活動は、「短期集中化」という予期していた目的を実現できなかっただけでなく、混乱を呼ぶこととなった。ある調査によると、65.3%の学生は8月1日までに内定通知書を受け取っており、呼びかけに応じて選考時期を繰り下げていた企業は劣勢に立たされることとなった。
選考開始時期の調整は、就活に混乱をもたらしただけでなく、一種の新たな圧力の形式を生むことともなった。就職状況が卒業予定者の楽観を許さない状況の下、学生らは、内定した企業との関係を少しでも確かなものにしておきたいという心理に陥っている。一部の企業はこれに付け入り、就職活動を続けないことを採用の条件とするという手に出ている。
企業はそうすることで、早くから選考を始めた優勢を保っておこうとする。だがその結果、学生はホッとしたり満足したりするどころか、困惑をさらに深めている。就職先が見つからないリスクを負っても就活を続けるか、受け取った内定のオファーに満足するかという悩みである。
驚くべきなのは、このような条件を出している企業が少なくないことである。ある機構が全国の大学に対して行った調査によると、調査を受けた267大学のうち64.8%の大学が、学生のこうした苦情を受け取っているという。
注意すべきなのは、こうしたやり方を、企業が自身の利益を保護するためのものと正当化することはできないということである。この現象の背後にあるのは、企業による権力の乱用であり、反抗することのできない休職中の学生の基本的な権利の侵害であり、企業間の公平競争の無視である。一歩引いて考えれば、こうした手段で学生を引き止めることができたとしても、将来の職場でのハラスメントの被害者を増やすだけとも言える。
冷静に考えれば、本当に自信を持っている企業であれば、学生が別の企業を受ける邪魔をするまでもなく、学生が最終的に自社を選ぶだろうと考えることだろう。だがこの混乱の中、選考を繰り下げた企業は割りを食い、戦々恐々とならざるを得なくなり、ほかの企業に遅れを取ってはならないと考えるようになる。そうなれば、「学生の授業や論文を邪魔しない」という当初の目的の実現はさらに遠のく。
就職活動のこうした混乱を前に、日本経団連も、来年は選考開始を2カ月前倒しして6月とすることを発表せざるを得なくなった。新たな措置がどのような効果を生み、来年の就活がどのような状況になるのか、注意深く見守っていく必要がある。
(チャイナネット)
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