日本のアニメ「機動戦士ガンダム」はロボット戦士のイメージを人々に広く行きわたらせた。映画「パシフィック・リム」に登場した巨大なロボットも強烈な印象を残した。こうしたSFの中のロボット戦士は今日、現実のものとなろうとしている。
日本のトヨタ社はこのほど、米国のシリコンバレーに2016年、人工知能技術研究の推進に特化した新会社を設立する計画を発表した。注目すべきなのは、新会社のCEOに米国防総省国防高等研究計画局のプロジェクトマネージャーが就任することである。この人物は、軍事ロボットの開発プロジェクトをリードした人物である。
軍事専門家の李路氏はこれについて「科技日報」記者の取材を受け、次のように語った。「日本のロボット技術は世界をリードしており、産業ロボットと家庭用ロボットで世界市場の最大のシェアを占めている。現在明らかになっている公開の資料によれば、日本にはまだ、実戦に投入された軍事用ロボットはない。レスキューロボットは放射能漏れや地震の救援などに幅広く応用されているが、これらのロボットも戦争や軍事に運用されたものではない。だが技術だけから言えば、多くの日本の産業ロボットの性能は、世界の主流の軍事用ロボットの性能指標に並ぶかこれを上回っており、戦争への投入にあたって技術的な障害はない」
日本の水道橋重工はしばらく前、ロボット戦士を現実化した「クラタス」という名の巨大な玩具を発表した。同社は「巨大ロボットを操縦することは人類の夢だ」としているが、このようなロボットには軍事的な価値もあり、戦争に投入されるのではないかと憂慮する有識者もいる。
李路氏の見方は異なっている。「ロボットは無人化の方向で発展している。人工知能にせよ、遠隔操作にせよ、人間を危険からできるだけ遠ざけることを目的としており、人が中に入って操縦するロボットというのはこの傾向に逆行している。長所を挙げるとすれば、人間が現場にいれば、各種の突発的な状況に対し、コンピューターより確かな処理ができるということだ」
李路氏も、クラタスに配備された武器装備は致命的なものではないが、少し改造すれば殺人道具に変えることは可能だと認めている。だが真の問題は、背後に隠された狙いにある。クラタスの登場は、日本のロボット産業全体にとってまたとない広告のチャンスとなった。日本のロボットの開発や製造により多くの資金が投入され、ロボット販売に数多くの潜在的な顧客がもたらされれば、日本の軍事用ロボットの技術と産業の急速な発展が大きく後押しされることとなる。
「重要なのは、クラタスで示された多くの技術が、高い軍事的な価値を秘めているということだ。十分な関心を呼び、十分な資金と支援を得ることができれば、これらの技術は、人々の想像をはるかに超えたスピードで戦場へと応用されることになるだろう。安倍政権の極右的なスタイルからしても、こうした技術が戦場に投入されるのは時間の問題ではないか」と李路氏は注意を呼びかけている。
(チャイナネット)
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