日本では中小都市の衰退が「地方過疎化」として人々の日常の話題となっている。日本の学者らは、「地区の発展が均衡を欠いている」「政府の特別支援が不十分だ」などと詳細な報告書を通じて原因を追究し、対策を出そうとしている。だが近年、衰退傾向にある中小都市は減るどころかますます増えている。いかに多くの人々を呼び込み、都市を再生させるかは、日本の中小都市が直面する共通の課題となっている。日本新華僑報が伝えた。
現地の特色の発掘から移住優遇政策の打ち出しまで、地方自治体は数々の取り組みを行っているが、際立った効果は上がっていない。日本総務省の統計によると、2014年時点で、東京・名古屋・関西の3大都市圏の人口が日本の総人口に占める割合は50.93%に達している。このうち東京圏の人口は3500万人を超え、総人口に占める割合は27.7%にのぼっている。
一方、日本の少子高齢化プロセスは加快を続け、地方の過疎化は悪化の一途をたどっており、住民が1000人程度にまで減っている町も少なくない。多くの地方では、有権者の減少でこれまで通りの選挙ができなくなり、政府の運営が難しくなるといった事態も出現している。日本では「中小都市の消失」はもはや誇張ではなくなっている。
日本の中小都市は、出産育児や移住の奨励などで各種の措置を講じており、真剣な取り組みが行われていないとは言えない。現地の産業の支援や中小の商業活動の活性化などで目玉となる優遇政策も出されており、この点での努力が足りないわけでもない。だがそれでも衰退を止めることができていないのは、その思考方法に原因があると考えられる。
日本の中小都市の発展政策を振り返ると、「安心」や「安全」が長期にわたって最も重要な理念とされ、行政の最高のルールとなって来たことがわかる。良好な治安環境と安心できる衣食住・交通が保障された都市を作ることは確かに、国民生活に恩恵を与える最大の取り組みと言える。だが繁栄の時を過ぎてすでに下り坂にさしかかっている日本の中小都市にとって見れば、財源をいかに増やし、国民生活の保障の持続性を担保するかこそが、より急迫した課題と言える。
中国には、「賢い嫁でも米がなければご飯は炊けない」(最低条件が揃わなければ何もできない)ということわざがある。もしも政府が行政の理念を転換することなく、都市の活力を引き出す取り組みに力を注がなければ、安心・安全な国民生活を保障する事業を持続させていくことはできない。最後には「水源のない川」「根っこのない木」ということになってしまう。
日本は先進国であり、都市化の程度も高い。だが統一的な思考の影響を受け、日本の都市発展のモデルには「千篇一律」という問題がある。飲食文化を例に取れば、日本全国には確かに無数のラーメンがある。だがその違いは本質的なものではなく、ラーメンに使われるスープの種類などは数えるほどしかない。
表面的には整然と揃っていると感じられることも、実際には、現代の日本人の物事のやり方が単一的であることの裏返しと言える。日本社会では無数の決まりがきっちりと守られているが、これは日本人の言動の高度の一致という強みをもたらすと同時に、「個性を欠く」という重大な欠点にもつながっている。
急速に進化を続ける現代の世界にあっては、新しいものや変化を求めることが時代の潮流となっている。この角度から見れば、日本の都市発展が既存のモデルに制約され、旧来の思考方式をなかなか打破することができず、安定志向を続けていることは、時代に逆流したものとも言える。日本の中小都市は、「安定」路線を変えることができなければ、没落への道を転がり続けるということにもなりかねない。
(チャイナネット)
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