ニューデリーを訪問中の日本の安倍晋三首相は12日、インドのモディ首相と一連の協力協定を締結し、インドへの原発技術、新幹線技術、防衛装備の輸出に原則的に合意した。
これは日本が初めて核拡散防止条約(NPT)の未加盟国と、原子力をめぐる協力を展開することを意味する。安倍首相はこれを、「両国の相互信頼と戦略的パートナーシップの新たなレベルを示す輝けるシンボルだ」と述べた。
【原子力協定】
安倍首相はモディ首相との共同記者会見で、「双方は両国の原子力協定で合意に至った。日本はインドに原発技術を輸出する」と表明した。
日印の原子力協定は、日本の原子力政策の転向とされている。世界で唯一の被爆国である日本は、核拡散の防止を主張してきた。インドは1974年5月に初の核実験を行い、NPTの加盟を拒み、事実上の核保有国とみなされている。
共同通信社によると、協定が締結されれば、日本はNPT未加入国の核兵器保有を事実上認めることになる。同協定の交渉はすでに5年続けられており、現在は核技術の軍事目的への転用の明確な禁止が焦点になっている。
安倍首相は、日印の原子力協力は「平和目的に限定する」と述べた。安倍首相に随行した萩生田光一官房副長官は記者に対して、インドが核実験を実施すればこの民間目的の原子力協定を停止することになると述べた。
【高速鉄道を建設】
両国関係のうち進展が注目されているのは、日本の新幹線方式を採用するインド初の高速鉄道だ。
この高速鉄道の全長は約500キロ。インド西部の港湾都市・金融センターのムンバイと、モディ首相の故郷であるグジャラート州の中心都市であるアーメダバードを結ぶ。移動時間は8時間から2時間に短縮される。
総事業費は9800億ルピー(約146億ドル)を予定。日本は1兆4600億元(12億ドル)以内の円借款を提供する。2017年着工、2023年竣工を目指す。
【武器譲渡】
安倍首相とモディ首相は、日本がインドに防衛装備・技術を移転し、両国が防衛関連の機密情報を共有するという2つの協定の調印式を見守り、安全面での協力を強化することを確認した。
協定の内容によると、インドは海上自衛隊が使用するUS2水陸両用機を購入する。同機は悪天候時でも巡航・救助・対潜などさまざまな任務を遂行できる。AFP通信は、同機の配備がインドの軍事装備の現代化を促すと報じた。
これは安倍政権が2014年4月に「防衛装備移転三原則」を可決し、日本が数十年維持してきた「武器輸出三原則」を事実上放棄してから初となる、大型軍事装備の海外への譲渡となる可能性が高い。
双方は、海上自衛隊がインドと米海軍の合同演習への参加を継続することを確認した。
安倍首相は2012年12月に再任を果たすと「地球儀を俯瞰する外交」を展開し、現在まで3回訪印し、モディ首相と5回会談している。これは安倍首相の日印関係への強い重視を示している。両国は双方関係を「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」として位置づけている。
(チャイナネット)
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