双方は堅調な関係を維持しているが、多くの欧州人は欧州と日本の関係に大きな進展がないと考えている。このパラドックスの一部の原因は、中国の台頭だ。ドイチェ・ヴェレが伝えた。
欧州と日本は民主主義陣営に属し、価値観と利益が合致しており、国際組織で緊密に連携している。しかし双方の共同調査によると、欧州と日本は長期的に安定した関係を維持しているが、欧州の高官・メディア・シンクタンクは双方の間に影響力ある協力が不足していると回答した。欧州外交評議会のMatthew Duch氏は、「日本は国際政治舞台で、名実相伴う働きをしていない。これは一般的な見方だ」と述べた。
欧州は日本文化を好み、戦略的にも日本を信頼しているが、欧州で日本のソフトパワーの痕跡を見て取ることができない。このパラドックスの裏側にある重要な要素は、中国の台頭だ。欧州各国は現在、中国を中心とするアジア観によって、日本を外交政策の議論の外に置いている。Duch氏は、「中国が注目を一身に浴びており、日本について質問する人は少ない。日本に分社を置く欧州メディアは数えるほどだが、西側主流メディアは北京に分社を設立している。彼らは中国から、北東アジアのニュースを報じている」と指摘した。
中国は日本を視界から押し出そうとしている。米日は力強い関係で結ばれているが、ドイツの回答者は日本を国際的な大国とはしなかった。オーストリア人も同じ観点を持つ。テンプル大学のジェームズ・ブラウン教授は、「欧州と日本の関係の重要性が低下している。かつて東京に向けられていた目は、北京に向けられている。多くの欧州諸国が新たな熱意で中国と抱き合っており、日本をやや驚かせている。これは中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)で特に顕著だ。欧州人は日本の方に好感を持っているが、中国の力強く活況を呈する経済がより大きな影響力を手にしている」と話した。
中国とEUの20年前の貿易額は、ほんのわずかだった。中国は現在、EUにとって最大の輸入国・輸出市場の一つになっている。EUは中国にとって最大の貿易パートナーであり、双方の貿易額は昨年4640億ユーロに達した。欧州人は、中国が世界で最も豊かな国だと判断している。調査に回答したポルトガルの高官は、「日本の重要性はかつての比ではない。アジアには現在、より人の心を奮い立たせる国が存在する」と語った。
(チャイナネット)
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