【新華社重慶３月３日】中国では新型コロナウイルスによる肺炎の発生を受け、外出を控える生活がすでに１カ月にわたって続き、消費者の消費意欲が抑制されている。工場や企業、宅配業者の操業再開に伴い、抑制されていた一部のコムペンサトーリィ的消費が喚起されつつある。特に電子商取引（ＥＣ）プラットフォームの流通売上高（ＧＭＶ）は回復傾向が現れ、消費者が通販サイトで購入する商品の種類にも大きな変化が見られる。
中国はＥＣ産業が最も発達した国の一つで、ネットでの買い物はこれまでも消費者の人気が高く、とりわけ若者はその主役を担ってきた。
アリババグループ傘下の通販サイト「淘宝網（タオバオ）」が２月１７日から毎日発表しているリポート「淘宝経済暖報」によると、同サイトの売れ筋商品は操業再開前はパジャマや即席麵、ダンスゲーム用のマットなどだったが、操業再開後は口紅やトレンチコート、香水などに移っている。「９５後」と呼ばれる１９９５～９９年生まれの若者は消毒用品を探すのにかける時間を減らし、ハンドバッグや高級ジュエリーを再び物色するようになっている。
アリババ傘下の通販サイト「天猫（Ｔモール）」には直近２週間で新製品２４０万点以上が登場。小米科技（シャオミ）の雷軍（らい・ぐん）氏が自らライブストリームで売り込んだ５Ｇ（第５世代移動通信システム）対応旗艦機種「小米１０」は発売開始２分足らずで売り切れた。韓国の化粧品ブランド３ＣＥはＴモールで口紅の新製品を発表、１日で１２万本近くを売り上げ、Ｔモール旗艦店に７０万人以上の新規顧客を呼び込んだ。最近の販促キャンペーンで、Ｔモールの高級な腕時計やメガネの販売量は前年同期比３・２倍、ジュエリーの販売量は２・３倍に増え、人気ブランドの口紅は４～８倍を売り上げた。
新型肺炎発生後のコムペンサトーリィ的消費行動について、重慶工商大学経済学院の李敬（り・けい）院長は、新型肺炎の流行が中後期に入れば、消費者の抑制されていた消費意欲が反動で解き放たれ、疫病による経済的損失をある程度補うことになるだろうとし、「中国経済への疫病の影響は段階的、一時的なものだ。疫病の流行が抑制されれば、経済はすぐ潜在的産出水準に戻るだろう」との見方を示した。
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