CIMCラッフルズ山東煙台の建造基地で作業中の半潜式深海ボーリング用プラットフォーム。(2018年6月29日撮影、煙台=新華社配信/唐克)
【新華社北京3月6日】中国経済の成長率は長年、最もホットな話題であり続けてきた。それは「アジアの巨人」が過去40年間で国内総生産(GDP)年平均成長率9・5%という「奇跡」を起こし、同期間の世界全体の経済成長率2・9%を大きく上回ったからかもしれない。
しかし、成長率をむやみに崇拝してはいけない。また、経済成長の減速は必ずしも危険信号ではなく、ましてや世界経済の足を引っ張るものとも言えない。
中国の李克強(り・こくきょう)国務院総理は5日、第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議の開幕会議で政府活動報告を発表した際、中国の2019年のGDP成長率目標を6~6・5%とした。2018年の中国の経済成長率は6・6%と政府目標を上回ったが、2017年の6・8%をやや下回った。
一部では、世界第2位の経済大国が「ハードランディング」を迎えるのではないかと懸念する声もあるが、それは中国経済の健全な発展の見通しが見えていないだけだ。
中国の経済成長はやや減速したものの、依然として中高速成長の状態にあり、2018年のGDPは90兆元(1元=約17円)を突破し、世界経済の見通しが暗い中で、目を見張る成果を収めている。
経済減速の一つの要因は、中国政府がその成長モデルを、投資と輸出が主導するものから、消費やサービス、イノベーションを力の源泉とするより持続可能な成長モデルへと転換することを選んだことにある。
これは自己調整の自然な結果であり、強靱(きょうじん)かつ健全で持続可能な経済を作り上げ、国と人民に幸福をもたらすための積極的な選択の結果でもある。
山東省鄒平にあるアルミ製造企業の作業場。(2018年9月13日撮影、鄒平=新華社配信/董乃徳)
この転換は既にいくつかの具体的な成果を生み出しており、新たな経済の駆動力は着実に成長している。中国国家統計局のデータによると、昨年、第3次産業が中国のGDPに占めた割合は52・2%で、経済成長に対する最終消費支出の寄与率は76・2%に達した。
長期的な発展のための構造改革を継続すると同時に、中国は、短期的な下押し圧力に対応する反循環的な財政・金融政策も実施している。中国人民銀行(中央銀行)は2018年、4回にわたって預金準備率を引き下げ、今年1月4日には預金準備率をさらに100ベーシスポイント引き下げると発表し、企業の融資ルートの拡大を図った。民間部門の税率引き下げやビジネスの煩雑さの軽減を含む政策も、投資を促し、投資家にさらに有利な環境を作り出している。
中国は同時に、穏健な金融政策を堅持し、複数の政策目標の間でバランスを取るための適切なマクロコントロールを保っている。
政府は経済の勢いを保つ必要があることを考慮し、大規模な景気刺激策を取るのではなく、雇用や金融市場、対外貿易、外国投資、国内投資や見通しなどをさらに安定させるよう呼び掛けている。
だが、中国経済に課題がないわけではない。李克強総理の政府活動報告によると、中国経済は現在、消費の伸びの減速や、小企業や零細企業の資金調達難、一部のコア技術に存在する欠点などの問題に直面している。李克強総理はそれでも、これらの問題に対処する自信は揺るがないと表明した。
こうした自信の根底にあるのは、経済政策の調整や金融リスクの管理を行う中国の全般的な能力、そして安定した経済基盤と見通しだ。
現在、中国は新たな成長目標を定め、改革開放を推進することを改めて約束しており、質の高い中国経済は保証されている。
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