【新華社シンガポール8月3日】第51回東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議が2日、シンガポールで開幕した。同国のリー・シェンロン首相は開会式であいさつし、開放的かつ包摂的なASEANを中心とした枠組みが地域の平和と安定を支えてきたと表明。ASEAN各国が引き続きこの枠組みを強化していかなければならないと強調した。
リー首相は、ASEAN各国が一致団結し、結束力や効力を保つように努め、ASEANとして引き続き役割を果たし、各加盟国とパートナーに価値を提供しなければならないと指摘。ASEAN各国が経済の一体化と技術活用による相互関係強化という二つの分野で、協力を強化すべきだと提言した。
経済の一体化についてリー首相は、ASEAN各国が今年末までに東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉を終えるよう、全力で取り組んでいることをうれしく思うと表明。RCEPが今後、国内総生産(GDP)合計で世界全体の3分の1を占める貿易圏になるとの期待を示した。また、RCEP同様、合意が期待されるASEAN-EU間の包括的航空協定も、締結後にはRCEPと共に、ASEANが貿易の自由化と経済の一体化を約束するという明確なシグナルを発信すると述べた。
リー首相はさらに、ASEANの成長と繁栄をこれまでずっと支えてきた基盤は、ルールに基づく多角的貿易体制であり、この体制が現在圧力に耐えていると指摘。ASEANにとって重要なのは多角的体制を引き続き支持することであり、志を共にするパートナーと協力を強化することだと語った。
シンガポールのバラクリシュナン外相は式典で、ASEANが今後、域内の団結や中心的地位などの核心となる原則を引き続き守り、開放的かつ包摂的で、ルールに基づいた地域の枠組みを維持していくと表明。同時に、ASEANが共同体建設を強化し、スマートシティや電子商取引(EC)などの新分野での協力も深めていくと述べ、ASEANがRCEPの締結などの取り組みにより、自由貿易と経済一体化のメリットを証明していくと訴えた。
第51回ASEAN外相会議および関連会議は、4日まで開かれる。
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