【新華社北京8月6日】夏季の高温多雨の影響により多くの地域で鋼くずの生産量が減少した上、環境保護政策で鋼くずの供給が顕著に減少した。現在の市場情報からみて、8月末までに中国の鋼くず市場の下落リスクは小さい。
高温天候、環境保護政策の強い圧力などがあり供給の改善は期待できない。全国の多くの地域では、依然として鋼くず倉庫や加工企業の経営への監督管理を強化しており、参入障壁の上昇は鋼くずの生産、販売両面での減少の持続を意味する。経営許可証が揃い、設備を完備している一部の企業であっても大多数は地元の環境保護政策に基づいて生産制限、中止措置を実施しなければならない。
また、盛夏は8月末まで続き、加工業界から言えば、鋼くずの回収は高温多雨が有効な作業時間を短縮し、しかも人件費を増やさなければならないことから、鋼くずの生産量は当分の間、低位を維持するとみられる。
一方、製鋼企業は鋼くずの使用意欲が高く、需要側にはまだ成長の余地がある。鋼材需要のシーズンではなく、鋼材出荷量は大きくないものの、製鋼企業の利益率は依然として高いままだ。金聯創によると、現在、生産プロセスの長い製鋼企業の利益は約1000元/トン(1元=約16円)前後、生産プロセスの短い製鋼企業の利益は450元/トン前後となっているため、一部の生産制限を受けた高炉は引き続き鋼くずの使用量を増やし、製鉄で鋼くずを少量追加して溶鉄を増やし、転炉の生産ではほとんどが鋼くずの使用量を増やしている。
当然、鋼くずのコスト上昇も懸念材料であり、特に、溶鉄コストは2000元/トン上下(税金除く)で推移している。だが、銑鉄に比べて鋼くずのコストはまだ安い。鋼くずと銑鉄の価格差は300元/トンが採算分岐点だが、両者の価格差はすでに700元/トンを上回っており、当分の間、製鋼企業の鋼くずへの使用意欲を懸念するまでもない。
このため、鋼くず市場は一定水準で供給不足状態を維持する可能性が高く、8月上・中旬の市場価格上昇空間が存在するが、川下建材市場の運行状況と関連の環境保護政策の変動には注意深く見守る必要があるだろう。
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