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金融·財政政策で後押し、インフラ投資は増加へ
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-08-02 13:26:16 | 新華社 | 編集: 郭丹

 【新華社北京8月2日】中国国家統計局が7月31日に発表した7月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は51・2となり、前月より0・3ポイント低下した。業界関係者は「7月のPMI分科指標では内需減退の兆しがみえる。外部環境の変化もあり、経済は下半期には減速するだろう。これにより、金融政策と財政政策を徹底し、その効果を合成させる必要がある。政策効果の顕在化につれ、インフラ整備投資は成長を安定化させるための重点分野として増加に転じるだろう」との認識を示している。中国証券報が伝えた。

 

  ▽内需減退が製造業の足かせに

  アナリストは、7月のPMIは51・2に達し、5カ月連続51以上で推移したとはいえ、主要分科指標のうち、好不況の節目となる50を上回る指標が低下し始め、これは内需減退の兆しを示していると指摘した。

 「主要な変化は、新規受注指数が引き続き低迷していることであり、購入価格が以前より明らかに下落し、内需に減退の兆しがみえる」と中国国際金融股份有限公司(中金公司、CICC)の陳健恒アナリストは指摘し、次のとおり解説した。7月の新規受注指数が節目の50を上回ったとはいえ、すでに年初並みの水準まで低下している。輸入指数も初めて50を割り込んだ。実際に6月の輸入データはすでに弱まった輸入を反映しており、7月の関税引き下げ政策発効後も好転していない。市場関係者は7月1日からの自動車輸入関税引き下げが自動車販売台数を増加させると予想しているが、全国乗用車市場情報聨席会(CPCA)のデータでは、7月初頭からいままでの販売台数は6月より一段と落ち込んでいる。内需低迷は購入価格下落にも現れている。高頻度データを対前月比でみると、工業品のうち、鋼材価格しか7月に上昇していない。セメントや石炭、非鉄金属の価格は軒並み下落している。7月の生産者物価指数(PPI)は前月比でプラスからマイナスに転ずるだろう。

  中金公司の劉雯琪マクロ経済アナリストは、7月の製造業PMIが市場観測を下回ったのは、主に内需低迷の影響を受けたためだとの見方を示し、「PMIの更なる低下は金融引き締めによる製造業への継続的な圧力を示している。分科データによると、7月の生産・需要指標は一段と低下しており、川上製品の価格も明らかに下落に転じている」という。

  中信証券の明明アナリストは、国際環境の不確定性や一部業界での従来の生産閑散期入りなどの要因により、製造業と非製造業の拡張の歩みが鈍り、特に、製造業は拡張鈍化で需給とも低迷する局面に直面している」という。

 「製造業のこれからの復活については様子を見る必要がある」と華創証券の牛播坤チーフエコノミストは述べ、製造業の投資の動きは川上の投資回復と川中・川下の投資落ち込みの綱引きによるものだと指摘した。

 

  ▽金融政策と財政政策を同時に徹底

  業界関係者によると、内需低迷に外部環境の変化が重なり、経済は下半期に減速するだろう。従って、金融政策と財政政策を同時に徹底することが必要だという。

  「実際に7月のマクロ政策には微調整のシグナルが出ている」と陳健恒氏は指摘し、金融と財政による実体経済への後押しはすでに強化されており、これから内需が喚起されるだろうとの認識を示した。

  UBSの汪濤上席中国チーフエコノミストは、今後は金融政策により信用貸付の引き締めと通貨緩和の両面に注力するとともに、より多くの流動性を確保するために、中国人民銀行(中央銀行)は年末までに預金準備率を更に150ベーシスポイント引き下げる見通しだ。財政政策については、地方特別債発行が強化されるとの認識だ。

  明明氏は、積極的な財政政策は下半期からより積極的なものとなり、インフラ整備投資を喚起し、また、PPP(官民連携)によるインフラ整備への参加ルートが広がることでもインフラ整備に資金をもたらすだろうと見解を述べた。

  中国財政科学研究院の劉尚希院長は、積極的な財政政策では、先見性、先取性を高め、マクロ経済運行の確実性を高め、良好な社会期待の形成を誘導し、新たな動的需給均衡の実現を働き掛ける必要があるとの見方を示した。

  劉院長は「現在の積極的な財政政策は、政府が需要拡大を直接主導するものではなく、市場の活力を引き出すことで間接的に役割を果たすものであり、資源配分を最適化させ、優良な供給を伸ばすことにある。市場の力により、構造の不均衡を是正することに併せ、成長の安定化、改革促進、構造調整、民生改善、リスク防止などの連動を見極め、把握し、総体に基づいて財政政策の効果を発揮させなければならない」と強調した。

 

  ▽インフラ整備投資は安定化、増加に転ずる 

  モルガン・スタンレー華鑫証券の章俊チーフエコノミストは、金融政策や財政政策の徹底につれ、経済成長を安定させるための重要な分野であるインフラ整備投資は間もなく安定化し、増加に転ずるはずだとの見方を示した。短期的には、経済成長の激しい変動を回避するため、建設中事業の資金供給は確保するが、新たな資金需要を厳しく管理する。業界別では、インフラ整備投資は水利や環境保護、交通運輸などの産業に多数向けられ、持続的な経済成長を促すことになる。地域別では、地域の均衡の取れた発展を確保するため、インフラが不備な中西部地域に向けられるという。

 汪濤氏は、PPPプロジェクト在庫整理の一段落や政策の微調整に伴い、下半期のインフラ整備投資は増加に転ずる可能性があり、6月と7月が底となり、それ以降はわずかに増加に転ずるとみている。

 最近、一部の地方政府ではすでにインフラ整備投資を増やしている。広東省政府は省重点プロジェクト投資業務推進会議を開き、省重点プロジェクトへの投資加速を検討し、湖北省発展改革委員会は民生分野重点プロジェクト計画業務実施会議を開いている。

 華泰証券のマクロ研究チームは、インフラ整備投資は下半期には増加に転じ、通年で13%~15%伸びるだろうとの予測を明らかにしている。

 

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新華網日本語

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 【新華社北京8月2日】中国国家統計局が7月31日に発表した7月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は51・2となり、前月より0・3ポイント低下した。業界関係者は「7月のPMI分科指標では内需減退の兆しがみえる。外部環境の変化もあり、経済は下半期には減速するだろう。これにより、金融政策と財政政策を徹底し、その効果を合成させる必要がある。政策効果の顕在化につれ、インフラ整備投資は成長を安定化させるための重点分野として増加に転じるだろう」との認識を示している。中国証券報が伝えた。

 

  ▽内需減退が製造業の足かせに

  アナリストは、7月のPMIは51・2に達し、5カ月連続51以上で推移したとはいえ、主要分科指標のうち、好不況の節目となる50を上回る指標が低下し始め、これは内需減退の兆しを示していると指摘した。

 「主要な変化は、新規受注指数が引き続き低迷していることであり、購入価格が以前より明らかに下落し、内需に減退の兆しがみえる」と中国国際金融股份有限公司(中金公司、CICC)の陳健恒アナリストは指摘し、次のとおり解説した。7月の新規受注指数が節目の50を上回ったとはいえ、すでに年初並みの水準まで低下している。輸入指数も初めて50を割り込んだ。実際に6月の輸入データはすでに弱まった輸入を反映しており、7月の関税引き下げ政策発効後も好転していない。市場関係者は7月1日からの自動車輸入関税引き下げが自動車販売台数を増加させると予想しているが、全国乗用車市場情報聨席会(CPCA)のデータでは、7月初頭からいままでの販売台数は6月より一段と落ち込んでいる。内需低迷は購入価格下落にも現れている。高頻度データを対前月比でみると、工業品のうち、鋼材価格しか7月に上昇していない。セメントや石炭、非鉄金属の価格は軒並み下落している。7月の生産者物価指数(PPI)は前月比でプラスからマイナスに転ずるだろう。

  中金公司の劉雯琪マクロ経済アナリストは、7月の製造業PMIが市場観測を下回ったのは、主に内需低迷の影響を受けたためだとの見方を示し、「PMIの更なる低下は金融引き締めによる製造業への継続的な圧力を示している。分科データによると、7月の生産・需要指標は一段と低下しており、川上製品の価格も明らかに下落に転じている」という。

  中信証券の明明アナリストは、国際環境の不確定性や一部業界での従来の生産閑散期入りなどの要因により、製造業と非製造業の拡張の歩みが鈍り、特に、製造業は拡張鈍化で需給とも低迷する局面に直面している」という。

 「製造業のこれからの復活については様子を見る必要がある」と華創証券の牛播坤チーフエコノミストは述べ、製造業の投資の動きは川上の投資回復と川中・川下の投資落ち込みの綱引きによるものだと指摘した。

 

  ▽金融政策と財政政策を同時に徹底

  業界関係者によると、内需低迷に外部環境の変化が重なり、経済は下半期に減速するだろう。従って、金融政策と財政政策を同時に徹底することが必要だという。

  「実際に7月のマクロ政策には微調整のシグナルが出ている」と陳健恒氏は指摘し、金融と財政による実体経済への後押しはすでに強化されており、これから内需が喚起されるだろうとの認識を示した。

  UBSの汪濤上席中国チーフエコノミストは、今後は金融政策により信用貸付の引き締めと通貨緩和の両面に注力するとともに、より多くの流動性を確保するために、中国人民銀行(中央銀行)は年末までに預金準備率を更に150ベーシスポイント引き下げる見通しだ。財政政策については、地方特別債発行が強化されるとの認識だ。

  明明氏は、積極的な財政政策は下半期からより積極的なものとなり、インフラ整備投資を喚起し、また、PPP(官民連携)によるインフラ整備への参加ルートが広がることでもインフラ整備に資金をもたらすだろうと見解を述べた。

  中国財政科学研究院の劉尚希院長は、積極的な財政政策では、先見性、先取性を高め、マクロ経済運行の確実性を高め、良好な社会期待の形成を誘導し、新たな動的需給均衡の実現を働き掛ける必要があるとの見方を示した。

  劉院長は「現在の積極的な財政政策は、政府が需要拡大を直接主導するものではなく、市場の活力を引き出すことで間接的に役割を果たすものであり、資源配分を最適化させ、優良な供給を伸ばすことにある。市場の力により、構造の不均衡を是正することに併せ、成長の安定化、改革促進、構造調整、民生改善、リスク防止などの連動を見極め、把握し、総体に基づいて財政政策の効果を発揮させなければならない」と強調した。

 

  ▽インフラ整備投資は安定化、増加に転ずる 

  モルガン・スタンレー華鑫証券の章俊チーフエコノミストは、金融政策や財政政策の徹底につれ、経済成長を安定させるための重要な分野であるインフラ整備投資は間もなく安定化し、増加に転ずるはずだとの見方を示した。短期的には、経済成長の激しい変動を回避するため、建設中事業の資金供給は確保するが、新たな資金需要を厳しく管理する。業界別では、インフラ整備投資は水利や環境保護、交通運輸などの産業に多数向けられ、持続的な経済成長を促すことになる。地域別では、地域の均衡の取れた発展を確保するため、インフラが不備な中西部地域に向けられるという。

 汪濤氏は、PPPプロジェクト在庫整理の一段落や政策の微調整に伴い、下半期のインフラ整備投資は増加に転ずる可能性があり、6月と7月が底となり、それ以降はわずかに増加に転ずるとみている。

 最近、一部の地方政府ではすでにインフラ整備投資を増やしている。広東省政府は省重点プロジェクト投資業務推進会議を開き、省重点プロジェクトへの投資加速を検討し、湖北省発展改革委員会は民生分野重点プロジェクト計画業務実施会議を開いている。

 華泰証券のマクロ研究チームは、インフラ整備投資は下半期には増加に転じ、通年で13%~15%伸びるだろうとの予測を明らかにしている。

 

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