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トヨタ寺師副社長「EVとFCVは対立軸ではない」
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-07-22 10:56:39 | 新華社 | 編集: 张一

  【新華社東京7月22日】電気自動車(EV)の発展が世界規模で加速する中、トヨタなど日本の自動車メーカーも水素を使う燃料電池車(FCV)の研究開発に積極的に取り組んでいる。トヨタの寺師茂樹副社長はこのほど、新華社の取材に対し、EVとFCVという2種類の新エネルギー車(NEV)は技術的な対立軸ではなく、それぞれに利点と価値があり、さまざまなシーンでの消費者ニーズを満たすことができると語った。

  寺師氏はNEV戦略を語るにあたり、トヨタが定義する「自動車電動化」が、将来大きな発展が見込まれるEVとFCVだけでなく、現在市場で高い評価を得ているハイブリッド車も含むことを強調した。「万能」自動車メーカーであるトヨタはこれら全てのタイプの「電動化自動車」を製造している。

  同社は2025年頃までにNEVを全車種に導入することを目標に掲げる。また、NEVの販売比率を2030年頃までに50%以上に引き上げ、中でもゼロエミッション車であるEVとFCVを10%、100万台以上とすることを目指している。

  寺師氏は「パリ協定」のような気候変動に対応する国際的枠組みを考えれば「電動化自動車」が今後の世界の主流となることは間違い無いと語り、EVとFCVは技術的な対立軸でも優劣の問題でもなく、それぞれに存在価値があり、異なる市場や異なるシーンの消費者ニーズを満たすことができると強調した。例としてノルウェーのような水力発電量の多い国では比較的容易にEVを普及させられるだろうと語った。

  FCVの長所はエネルギー密度が高く、走行時の排出が水だけで、走行距離が長いことだ。トヨタが一般ユーザー向けに販売した初のFCV「MIRAI」は、1回約3分の水素充填で約650キロ走行できる。ただ、現時点の欠点としては水素ステーションの不足が挙げられる。日本全国で約100カ所、東京には14カ所しかない。

  寺師氏によると、水素燃料の供給と水素ステーションの建設などは同社だけで出来るものではないため、日本国内では日産やホンダなどの自動車メーカーやエネルギー企業、銀行、商社と共同で水素ステーション建設促進のための法人を設立し、共同で投資を行っているという。

  また、同社ではFCV分野で数多くの特許を保有しているが、1社のみの力では市場を迅速に拡大することはできないので、約5680の特許を無償供与し、他社と共同で市場拡大に努めて行きたいという。

  寺師氏はこのほど中国で行われた水素エネルギー産業のフォーラムに出席したことについても触れ、中国企業は水素エネルギーの利用にも非常に前向きであり、トヨタはそれらの企業と協力し、中国でも水素エネルギー技術の実用化を進めていきたいと述べた。

  EV分野では、電解質を固体化した全固体電池の方がエネルギー密度と安全性が高く、従来のリチウムイオン液体電池より優れ、NEVの実用化では将来性が高い。寺師氏によると、トヨタも全固体電池の開発を加速しており、2020年以降の実用化を目指しているという。

  寺師氏はまた、EVとFCVの普及にはまだ長い道のりがあり、当面はハイブリッド車が引き続き同社NEVの主力になるとの認識を示した。

 

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新華網日本語

トヨタ寺師副社長「EVとFCVは対立軸ではない」

新華網日本語 2018-07-22 10:56:39

  【新華社東京7月22日】電気自動車(EV)の発展が世界規模で加速する中、トヨタなど日本の自動車メーカーも水素を使う燃料電池車(FCV)の研究開発に積極的に取り組んでいる。トヨタの寺師茂樹副社長はこのほど、新華社の取材に対し、EVとFCVという2種類の新エネルギー車(NEV)は技術的な対立軸ではなく、それぞれに利点と価値があり、さまざまなシーンでの消費者ニーズを満たすことができると語った。

  寺師氏はNEV戦略を語るにあたり、トヨタが定義する「自動車電動化」が、将来大きな発展が見込まれるEVとFCVだけでなく、現在市場で高い評価を得ているハイブリッド車も含むことを強調した。「万能」自動車メーカーであるトヨタはこれら全てのタイプの「電動化自動車」を製造している。

  同社は2025年頃までにNEVを全車種に導入することを目標に掲げる。また、NEVの販売比率を2030年頃までに50%以上に引き上げ、中でもゼロエミッション車であるEVとFCVを10%、100万台以上とすることを目指している。

  寺師氏は「パリ協定」のような気候変動に対応する国際的枠組みを考えれば「電動化自動車」が今後の世界の主流となることは間違い無いと語り、EVとFCVは技術的な対立軸でも優劣の問題でもなく、それぞれに存在価値があり、異なる市場や異なるシーンの消費者ニーズを満たすことができると強調した。例としてノルウェーのような水力発電量の多い国では比較的容易にEVを普及させられるだろうと語った。

  FCVの長所はエネルギー密度が高く、走行時の排出が水だけで、走行距離が長いことだ。トヨタが一般ユーザー向けに販売した初のFCV「MIRAI」は、1回約3分の水素充填で約650キロ走行できる。ただ、現時点の欠点としては水素ステーションの不足が挙げられる。日本全国で約100カ所、東京には14カ所しかない。

  寺師氏によると、水素燃料の供給と水素ステーションの建設などは同社だけで出来るものではないため、日本国内では日産やホンダなどの自動車メーカーやエネルギー企業、銀行、商社と共同で水素ステーション建設促進のための法人を設立し、共同で投資を行っているという。

  また、同社ではFCV分野で数多くの特許を保有しているが、1社のみの力では市場を迅速に拡大することはできないので、約5680の特許を無償供与し、他社と共同で市場拡大に努めて行きたいという。

  寺師氏はこのほど中国で行われた水素エネルギー産業のフォーラムに出席したことについても触れ、中国企業は水素エネルギーの利用にも非常に前向きであり、トヨタはそれらの企業と協力し、中国でも水素エネルギー技術の実用化を進めていきたいと述べた。

  EV分野では、電解質を固体化した全固体電池の方がエネルギー密度と安全性が高く、従来のリチウムイオン液体電池より優れ、NEVの実用化では将来性が高い。寺師氏によると、トヨタも全固体電池の開発を加速しており、2020年以降の実用化を目指しているという。

  寺師氏はまた、EVとFCVの普及にはまだ長い道のりがあり、当面はハイブリッド車が引き続き同社NEVの主力になるとの認識を示した。

 

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