【新華社北京７月１６日】中国北京市政府はこのほど、同市の生態系保護のレッドラインを発表した。レッドラインに画定された面積は４２９０平方キロメートルに達し、同市総面積の２６・１％を占める。
生態系保護のレッドラインとは、生態空間において特殊で重要な生態機能を有し、強制的かつ厳格に保護しなければならないエリアを指し、国家の環境安全に関する最低線と生命線を保証し維持するものである。中国共産党中央委員会と国務院が２０１７年９月に承認した「北京城市総体計画（２０１６−２０３５年）」では、レッドラインの画定と厳守、不可変的な制限の強化が明確に定められた。
空間の分布から見ると、レッドラインは「二つのバリアと二つのベルト」で構成される。「二つのバリア」は北部の燕山生態バリアと西部の太行山生態バリアで、「二つのベルト」は永定河沿線の生態保護ベルトと潮白河−古運河沿線の生態保護ベルトを指す。
レッドラインは主な生態機能に基づき、さまざまな類型に分かれる。一つ目は水源かん養型で、主に北部の軍都山一帯に分布し、密雲ダムや懐柔ダム、官庁ダムの上流地域である。二つ目は水土保全型で、主に西部の西山一帯に分布している。三つ目は生物多様性保護型で、主に西部の百花山や東霊山、北西部の松山や玉渡山、海坨山、北部の喇叭溝門などのエリア。四つ目は重要河川・湿地で、五本の一級河川（永定河、潮白河、北運河、大清河、薊運河）および「三ダム一水路」（密雲ダム、懐柔ダム、官庁ダム、京密引水路）など重要な湖沼や河川、湿地となっている。
規定によると、北京市生態系保護のレッドラインは主体機能として不適切な全ての開発活動や、勝手な用途変更を厳しく禁じている。また生態系機能の低下や面積の減少、性質の変化が見られないよう確保しなければならない。レッドラインに画定された範囲は拡大のみ可能で、削減されることはない。
北京市は今後、レッドラインの境界標の実地調査や、レッドライン地域の立法を推進し、健全な責任システム、測定評価、監督審査、政策による奨励制度を確立して、レッドラインの着実な定着と厳格な実行を持続していく。
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