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砂漠化に対する的確な対策、中国グリーン発展の夢を照らす
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-06-20 11:19:16 | 新華社 | 編集: 张一

  【新華社西寧6月20日】中国共産党第18回全国代表大会(2012年11月)以降、中国は生態文明の建設をこれまでにない高いレベルに引き上げ、砂漠化の防止と対処に一層力を入れ、大きな成果を収めた。猛威を振るう「砂魔」を封じ込め「沙進人退」(砂漠化による人類生存圏の後退)から「緑進沙退」(緑の増加による砂漠地域の減少)の歴史的転換を実現し、世界の砂漠化と干ばつ防止の成功例となった。

  6月中旬、記者は青海省海南チベット族自治州共和県林業活動ステーションのエンジニアである郭増鴻(54)さんと共に同県の砂地にやってきた。砂丘の上で、砂漠植物の新緑が芽吹いている。3年前に郭さんたちが植えた80センチ足らずの烏柳(Salix cheilophila)の苗は今では彼よりも高くなっている。

  「林業関係者と現地の牧畜民が入念に守るおかげで、寒さと干ばつに強いこれらの低木はようやく砂漠に根を下ろした」と郭さんは話した。

  郭さんたちが砂漠化と戦っている土地は気候が厳しく、特に冬と春には強い風が吹くため、砂丘が一晩で10メートル以上移動することもある。

  「砂漠を緑にするにはまず砂丘を止めなければならない」と郭さんは説明する。砂丘固定の措置として、現地の林業部門は麦わらなどを束ねて格子状に砂丘の上に並べた。わらの格子は砂を固定するだけでなく、雨水を留めることもできる。現地の砂漠化対処作業で大きな役割を果たしており、「中国のルービックキューブ」と呼ばれるほどだ。

  海南チベット族自治州林業局造林科の馬貴林科長によると、「第12期5カ年規画」(2011~15年)期間中、同州が砂漠化回復対策を施した砂地面積は52万ムー(1ムー=0.0667ヘクタール)、砂漠化防止のために育てた森林と草原は62万ムーに達しているという。

  2016年から実施された「第13期5カ年規画」(2016~20年)では、5年間で1千万ヘクタールの砂漠化土地の回復対策を済ませ、2020年までに全国の回復可能な砂漠化土地の半分以上を修復する目標が打ち出されている。

  中国科学院・西北生態環境資源研究院は、中国最先端の砂漠化防止・対処技術とシステムを持つ。これまでに砂漠地帯を走る「包蘭鉄道」(内モンゴル自治区包頭市―甘粛省蘭州市)の砂ぼこり問題を解決し、世界文化遺産の敦煌莫高窟や国家重点名勝区の鳴沙山・月牙泉の砂ぼこり被害を解消した。

  鳴沙山と月牙泉は、甘粛省敦煌市に位置する観光地。「山と泉が共にあり、砂と水が共生する」奇観として世界で名をはせる。同地区は約20年間にわたる人類活動など、さまざまな影響により、自然が本来持っていた動態バランスが破壊された。砂ぼこりの流れが変わったことで、南北の砂丘が月牙泉へ向けて拡大、同泉の「存続」を甚だしく脅かしていた。同研究院は、航空写真の解析や航空撮影測量、GPS(全地球無線測位システム)測量などを通じ、砂ぼこりの流れの観測分析を行い、月牙泉縮小の原因が主に北東風の阻害と減少にあることを突き止めた。

  地元政府は現在、鳴沙山と月牙泉の北東の風の通り道で、建築物の取り壊しや低木による高木の植え替え、人工砂れき床の建造などの措置を取り、北東風の通り道を確保、南北砂丘の気流を改善した。風と砂の動態バランスが回復したことにより月牙泉の縮小が抑えられ、月牙泉の「存続」を科学的に保障した。

  昔よく起きていた「砂ぼこりが北京に迫る」騒ぎから絶えず強化される今日の緑の障壁まで、中国の砂漠化防止・対処事業は歴史的な転換を成し遂げた。西北地区の黄色(砂漠)の中に緑色(緑地)は「ほんの少し」徐々に拡大してきた。

  青海省林業庁の王恩光・副庁長は「中国の砂漠化防止・対処の効果が世界にもたらしたものは、目に見える生態建設の成果だけでなく、いかにして生態文明を築き上げるかという中国の理念と解決策だ」と語った。

 

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砂漠化に対する的確な対策、中国グリーン発展の夢を照らす

新華網日本語 2018-06-20 11:19:16

  【新華社西寧6月20日】中国共産党第18回全国代表大会(2012年11月)以降、中国は生態文明の建設をこれまでにない高いレベルに引き上げ、砂漠化の防止と対処に一層力を入れ、大きな成果を収めた。猛威を振るう「砂魔」を封じ込め「沙進人退」(砂漠化による人類生存圏の後退)から「緑進沙退」(緑の増加による砂漠地域の減少)の歴史的転換を実現し、世界の砂漠化と干ばつ防止の成功例となった。

  6月中旬、記者は青海省海南チベット族自治州共和県林業活動ステーションのエンジニアである郭増鴻(54)さんと共に同県の砂地にやってきた。砂丘の上で、砂漠植物の新緑が芽吹いている。3年前に郭さんたちが植えた80センチ足らずの烏柳(Salix cheilophila)の苗は今では彼よりも高くなっている。

  「林業関係者と現地の牧畜民が入念に守るおかげで、寒さと干ばつに強いこれらの低木はようやく砂漠に根を下ろした」と郭さんは話した。

  郭さんたちが砂漠化と戦っている土地は気候が厳しく、特に冬と春には強い風が吹くため、砂丘が一晩で10メートル以上移動することもある。

  「砂漠を緑にするにはまず砂丘を止めなければならない」と郭さんは説明する。砂丘固定の措置として、現地の林業部門は麦わらなどを束ねて格子状に砂丘の上に並べた。わらの格子は砂を固定するだけでなく、雨水を留めることもできる。現地の砂漠化対処作業で大きな役割を果たしており、「中国のルービックキューブ」と呼ばれるほどだ。

  海南チベット族自治州林業局造林科の馬貴林科長によると、「第12期5カ年規画」(2011~15年)期間中、同州が砂漠化回復対策を施した砂地面積は52万ムー(1ムー=0.0667ヘクタール)、砂漠化防止のために育てた森林と草原は62万ムーに達しているという。

  2016年から実施された「第13期5カ年規画」(2016~20年)では、5年間で1千万ヘクタールの砂漠化土地の回復対策を済ませ、2020年までに全国の回復可能な砂漠化土地の半分以上を修復する目標が打ち出されている。

  中国科学院・西北生態環境資源研究院は、中国最先端の砂漠化防止・対処技術とシステムを持つ。これまでに砂漠地帯を走る「包蘭鉄道」(内モンゴル自治区包頭市―甘粛省蘭州市)の砂ぼこり問題を解決し、世界文化遺産の敦煌莫高窟や国家重点名勝区の鳴沙山・月牙泉の砂ぼこり被害を解消した。

  鳴沙山と月牙泉は、甘粛省敦煌市に位置する観光地。「山と泉が共にあり、砂と水が共生する」奇観として世界で名をはせる。同地区は約20年間にわたる人類活動など、さまざまな影響により、自然が本来持っていた動態バランスが破壊された。砂ぼこりの流れが変わったことで、南北の砂丘が月牙泉へ向けて拡大、同泉の「存続」を甚だしく脅かしていた。同研究院は、航空写真の解析や航空撮影測量、GPS(全地球無線測位システム)測量などを通じ、砂ぼこりの流れの観測分析を行い、月牙泉縮小の原因が主に北東風の阻害と減少にあることを突き止めた。

  地元政府は現在、鳴沙山と月牙泉の北東の風の通り道で、建築物の取り壊しや低木による高木の植え替え、人工砂れき床の建造などの措置を取り、北東風の通り道を確保、南北砂丘の気流を改善した。風と砂の動態バランスが回復したことにより月牙泉の縮小が抑えられ、月牙泉の「存続」を科学的に保障した。

  昔よく起きていた「砂ぼこりが北京に迫る」騒ぎから絶えず強化される今日の緑の障壁まで、中国の砂漠化防止・対処事業は歴史的な転換を成し遂げた。西北地区の黄色(砂漠)の中に緑色(緑地)は「ほんの少し」徐々に拡大してきた。

  青海省林業庁の王恩光・副庁長は「中国の砂漠化防止・対処の効果が世界にもたらしたものは、目に見える生態建設の成果だけでなく、いかにして生態文明を築き上げるかという中国の理念と解決策だ」と語った。

 

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