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日本の外交官が見た中国西南部の大きなチャンス
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-06-20 09:26:18 | 新華社 | 編集: 张一

  【新華社重慶6月20日】在重慶日本総領事館の小松道彦総領事はこのほど、新華社の単独インタビューに応じ、昨年9月の着任時の重慶の様子について「その発展ぶりに大変驚いた」と語った。

  小松総領事はこれまで、在中国日本大使館、在広州日本総領事館で16年勤務し、流暢な中国語を話す「中国通」だ。赴任前に周囲の人から聞いた重慶のイメージは「古くて汚い街で、大気汚染もひどく、経済発展も遅れた地域」だったという。しかし、重慶にやって来た小松総領事は、まずその発展ぶりに驚いた。街にはゴミ一つなく、大気汚染も改善し、林立する高層ビルの間をモノレールが走り、地下鉄や高速鉄道、高速道路も整備された美しい都市になっていたからだ。

  重慶は西南地域唯一の直轄市で、在重慶日本総領事館は同地域唯一の日本の在外公館として、同市の他、四川や貴州、雲南の3省を管轄する。

  小松総領事は「着任してすぐ成都、貴陽、昆明の各都市を訪れたが、いずれも経済発展を遂げ、立派な街になっていた」と感想を述べ、西南地域の大きな変化と数多くの投資のチャンスは、中国が提唱する「一帯一路」構想と密接に関係していると指摘した。

  中国が2013年に提唱した同構想は、この5年間で100以上の国や国際機関の賛同と支持を得た。西南地域は同構想の重点エリアの一つとなっている。

  小松総領事は「西南地域はこれまで、沿海地域と比べて物流が弱く、西南地域で作られた物は、沿海地域から航路で2カ月かけてヨーロッパに運ばれていた」と指摘。これにより多くの外資系企業が沿海地域に投資して工場を建てることになったと説明した。そんな西南地域を大きく変化させたのが「一帯一路」構想だとし、「重慶や四川などからヨーロッパに向かう直行列車『中欧班列』や、東南アジアに向かう列車の交通網が完成し、西南地域からヨーロッパまでの所要時間が2週間に短縮されたことは『一帯一路』の大きな成果だ」と称えた。

  さらに重慶にはドイツまでの直行列車「渝新欧」(Yuxinou Railway)だけでなく、水上、陸上、航空の三つの国家級ターミナル、四つの1類口岸(外国の人・荷物・輸送手段なども出入国できる通関ポイント)と三つの保税区があることに触れ「一帯一路」と長江経済ベルトを繋ぐ重要な役割を果たしていると述べた。

  日本の首脳は最近「一帯一路」構想について前向きな姿勢を何度も示している。中国外交部も、中国は日本の構想参加について常に開放的な態度を示してきたと表明している。

  小松総領事は「『一帯一路』構想は広大だ」と述べ「日本企業はまだ、どのような協力ができるかを検討し始めた段階で、その開放性や透明性、財政の健全性などが確保されれば、素晴らしい構想になる」と語った。さらに、沿海地域と比べ、西南地域は労働力や土地などの生産要素で特に優位性を持っており、物流などのインフラ整備が外資系企業に投資の機会を提供するだろうと語った。

  データによると、中国西南部で投資を行う日本企業は、主に重慶市と四川省に集中しており、両地域には製造業や小売サービス業など計500社以上の日本企業がある。

  この点について「沿海地域と比べて西南地域の日本企業は多くないので、潜在力は大きい」とし、ハイエンド製造業や人工知能(AI)、医療、介護など、日本が強い分野で双方が協力できる余地は大いにあると指摘した。

  日本と中国西南部の協力について小松総領事は、一つの典型例を挙げた。「山城」と呼ばれる重慶には高い山や急な坂が多く、各国の専門家はかつて「軌道交通の建設は不可能」と断言していた。2005年、重慶初のモノレールである軽軌2号線が開通したが、これは中日両国の建設者が4年半の歳月をかけて完成させたものだ。

  今では、重慶軽軌2号線の列車が高層マンション内にある李子壩駅に入っていく様子がネットで話題になっており、毎日世界各地からの観光客が、列車が高層マンションの中に入っていく珍しい光景を見にやって来る。

  市内を走る軽軌2号線を見ながら、小松総領事は「この路線は重慶の交通問題を解決し、経済に貢献しているだけでなく、大きな観光スポットにもなった。このことを重慶や日本の皆さんに知っていただきたい」と訴えた。

  日本と中国西南部は遠く離れていることもあり、相互理解はなかなか進んでいないが、この点について小松総領事は「PRの強化に伴い、積極的な兆しが見られるようになってきた」と指摘。例として、これまで中国人訪日観光客に占める西南地域の人々の割合は非常に低かったが、ここ3年、同総領事館のビザ発給数が7倍に増えていることを挙げた。

  2018年は中日平和友好条約締結40周年であり、在重慶日本総領事館設立20周年でもある。

  同総領事館は「第21回中国東西部協力・投資貿易商談会」(西洽会)への日本企業の出展や、大学生日本語作文コンクール、中日野球交流大会、学生記者交流イベント、日本留学説明会などの開催、第1回重慶中日ゴルフ親善試合の支援・参加など、経済、文化、スポーツ、教育など各分野の交流イベントを企画、実施している。

  小松総領事はこの点について「これは日本と中国西南部の交流協力の機会であり、より多くの日本人に中国西南部のことを知ってもらいたい」と語った。

  在重慶日本総領事館の管轄区域である4省・直轄市はとても広く、総面積は日本の3倍以上、総人口は日本の2倍以上に相当する。小松総領事の現在の悩みは、できる限り多くの場所を訪れたいが、時間がなかなか足りないことだという。

  最後に小松総領事は「ゆっくりやりましょう」と笑顔で意気込みを語った。(記者/趙宇飛、李愛斌)

 

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新華網日本語

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新華網日本語 2018-06-20 09:26:18

  【新華社重慶6月20日】在重慶日本総領事館の小松道彦総領事はこのほど、新華社の単独インタビューに応じ、昨年9月の着任時の重慶の様子について「その発展ぶりに大変驚いた」と語った。

  小松総領事はこれまで、在中国日本大使館、在広州日本総領事館で16年勤務し、流暢な中国語を話す「中国通」だ。赴任前に周囲の人から聞いた重慶のイメージは「古くて汚い街で、大気汚染もひどく、経済発展も遅れた地域」だったという。しかし、重慶にやって来た小松総領事は、まずその発展ぶりに驚いた。街にはゴミ一つなく、大気汚染も改善し、林立する高層ビルの間をモノレールが走り、地下鉄や高速鉄道、高速道路も整備された美しい都市になっていたからだ。

  重慶は西南地域唯一の直轄市で、在重慶日本総領事館は同地域唯一の日本の在外公館として、同市の他、四川や貴州、雲南の3省を管轄する。

  小松総領事は「着任してすぐ成都、貴陽、昆明の各都市を訪れたが、いずれも経済発展を遂げ、立派な街になっていた」と感想を述べ、西南地域の大きな変化と数多くの投資のチャンスは、中国が提唱する「一帯一路」構想と密接に関係していると指摘した。

  中国が2013年に提唱した同構想は、この5年間で100以上の国や国際機関の賛同と支持を得た。西南地域は同構想の重点エリアの一つとなっている。

  小松総領事は「西南地域はこれまで、沿海地域と比べて物流が弱く、西南地域で作られた物は、沿海地域から航路で2カ月かけてヨーロッパに運ばれていた」と指摘。これにより多くの外資系企業が沿海地域に投資して工場を建てることになったと説明した。そんな西南地域を大きく変化させたのが「一帯一路」構想だとし、「重慶や四川などからヨーロッパに向かう直行列車『中欧班列』や、東南アジアに向かう列車の交通網が完成し、西南地域からヨーロッパまでの所要時間が2週間に短縮されたことは『一帯一路』の大きな成果だ」と称えた。

  さらに重慶にはドイツまでの直行列車「渝新欧」(Yuxinou Railway)だけでなく、水上、陸上、航空の三つの国家級ターミナル、四つの1類口岸(外国の人・荷物・輸送手段なども出入国できる通関ポイント)と三つの保税区があることに触れ「一帯一路」と長江経済ベルトを繋ぐ重要な役割を果たしていると述べた。

  日本の首脳は最近「一帯一路」構想について前向きな姿勢を何度も示している。中国外交部も、中国は日本の構想参加について常に開放的な態度を示してきたと表明している。

  小松総領事は「『一帯一路』構想は広大だ」と述べ「日本企業はまだ、どのような協力ができるかを検討し始めた段階で、その開放性や透明性、財政の健全性などが確保されれば、素晴らしい構想になる」と語った。さらに、沿海地域と比べ、西南地域は労働力や土地などの生産要素で特に優位性を持っており、物流などのインフラ整備が外資系企業に投資の機会を提供するだろうと語った。

  データによると、中国西南部で投資を行う日本企業は、主に重慶市と四川省に集中しており、両地域には製造業や小売サービス業など計500社以上の日本企業がある。

  この点について「沿海地域と比べて西南地域の日本企業は多くないので、潜在力は大きい」とし、ハイエンド製造業や人工知能(AI)、医療、介護など、日本が強い分野で双方が協力できる余地は大いにあると指摘した。

  日本と中国西南部の協力について小松総領事は、一つの典型例を挙げた。「山城」と呼ばれる重慶には高い山や急な坂が多く、各国の専門家はかつて「軌道交通の建設は不可能」と断言していた。2005年、重慶初のモノレールである軽軌2号線が開通したが、これは中日両国の建設者が4年半の歳月をかけて完成させたものだ。

  今では、重慶軽軌2号線の列車が高層マンション内にある李子壩駅に入っていく様子がネットで話題になっており、毎日世界各地からの観光客が、列車が高層マンションの中に入っていく珍しい光景を見にやって来る。

  市内を走る軽軌2号線を見ながら、小松総領事は「この路線は重慶の交通問題を解決し、経済に貢献しているだけでなく、大きな観光スポットにもなった。このことを重慶や日本の皆さんに知っていただきたい」と訴えた。

  日本と中国西南部は遠く離れていることもあり、相互理解はなかなか進んでいないが、この点について小松総領事は「PRの強化に伴い、積極的な兆しが見られるようになってきた」と指摘。例として、これまで中国人訪日観光客に占める西南地域の人々の割合は非常に低かったが、ここ3年、同総領事館のビザ発給数が7倍に増えていることを挙げた。

  2018年は中日平和友好条約締結40周年であり、在重慶日本総領事館設立20周年でもある。

  同総領事館は「第21回中国東西部協力・投資貿易商談会」(西洽会)への日本企業の出展や、大学生日本語作文コンクール、中日野球交流大会、学生記者交流イベント、日本留学説明会などの開催、第1回重慶中日ゴルフ親善試合の支援・参加など、経済、文化、スポーツ、教育など各分野の交流イベントを企画、実施している。

  小松総領事はこの点について「これは日本と中国西南部の交流協力の機会であり、より多くの日本人に中国西南部のことを知ってもらいたい」と語った。

  在重慶日本総領事館の管轄区域である4省・直轄市はとても広く、総面積は日本の3倍以上、総人口は日本の2倍以上に相当する。小松総領事の現在の悩みは、できる限り多くの場所を訪れたいが、時間がなかなか足りないことだという。

  最後に小松総領事は「ゆっくりやりましょう」と笑顔で意気込みを語った。(記者/趙宇飛、李愛斌)

 

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