【新華社「大洋1号」4月25日】中国最先端の自律型無人潜水機(AUV)3号機「潜竜3号」がこのほど、南中国海で初潜水に成功し、深さ3900メートル以上の深海で多数の写真を撮影した。写真には、魚介類やヒトデ、ナマコなどの美しい深海生物の姿のほか、プラスチックごみも撮影された。
「こうしたプラスチックごみは海洋生物の生存を脅かし、海洋生態系を破壊する」。海洋生物を長年研究してきた孫棟博士はこう語り、プラスチックごみは深海に到達した場合、低温と光のない環境で微生物が不活発であるため、自然による生分解は極めて難しいと説明した。
孫氏は、深海生態系はデトリタス(生物の死骸や排泄物が元となる有機物の粒子)食物連鎖を主としていると語る。南中国海海域には多くのヒトデ、ナマコ、深海魚類が生息しており、こうした深海生物はデトリタスを丸呑みにするため、プラスチックごみの破片も容易に摂取してしまう。プラスチックごみは消化しにくいため、生き物の生命活動を脅かすという。
関連の統計データによると、全世界で毎年、800万トンを超えるプラスチックが海洋に投棄され、海洋ゴミの80%を占める。プラスチックの海洋汚染は今、重要な環境問題の一つとなっている。特にプラスチックごみが破片化してできた直径5ミリ以下の「マイクロプラスチック」が海洋生物にとって大きな脅威である。
孫氏は、プラスチックごみによる海洋の汚染に対処するには、陸地のごみの発生源をしっかり管理すべきだと語り、プラスチック製品の過度な使用を減らし、河川や海岸のごみを適切に処理し、海への勝手な投棄を厳しく禁じる必要があると述べた。また、行き来する船舶やその人員は船舶ごみに関する管理規定を厳格に実施し、プラスチックごみを陸地に持ち帰って適切に処理し、海への投棄は厳禁する必要があるとも語った。さらに、マイクロプラスチックによる海洋汚染問題について、関連調査や研究を積極的に進めるべきだとの見方を示した。
当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。
推薦記事: