【新華社上海４月２５日】中国の多くの若者たちは今、丸々半日かけて静かに本を１冊読み終えるのではなく、別の方法で読書をしている。１０分ほどの「断片化」した時間にスマートフォンを用いて読書し、本を少しずつ読んでいくというのだ。
楊舒さんは上海の文化芸術機関の職員。外国との文化交流が多くなるにつれ英語力の足りなさを感じ、英文の書物を読み始めた。仕事が忙しく、長い時間での読書はなかなかできないため、「断片化」した時間を利用してのスマホ読書を選んだ。現在使っている閲読サイトは「薄荷閲読」。このサイトではユーザーの単語量を測定してユーザーに合った読み物を推薦する。また、微信（ウィーチャット）を通じて、毎日１０分ずつ、約千文字の洋書簡略版を読み終えたかどうかチェックもする。さらに解説もつけて、新しい単語、文法、典拠などを説明する。それに従って読んでいけば、１００日で３冊から４冊、英文の書物を読破できるという。
「分厚い本を小分けにし、断片化した時間に読むだけなので現代人の生活リズムや考え方にとても合っている」という楊さんは、１カ月前に「リーディング・クラス」を１期分購入して、すでに「星の王子さま」を読み終えたそうだ。
中国新聞（報道）出版研究所が１８日に発表した全国国民閲読調査によると、２０１７年に中国でデジタルの手段で読書をした成人の割合は７３・０％に上り、前年より４・８ポイント増えた。そして、そのうちの８４・９％が１８～４９歳の年齢層だった。
また、各種の読書アプリでは、ユーザーの読書意欲を刺激するためのインセンティブシステムの開発が盛んに行われている。例えば「微信読書」の場合、ユーザーは読書時間の長さを「ブックコイン」に交換し、それを使ってアプリで新しい本を購入できるシステムになっている。読書５時間ごとに１０個のブックコインに交換でき、価値は１０元（１元＝約１７円）に相当する。薄荷閲読ではユーザーが１００日間の閲読と「タイムカードの打刻」作業をすれば紙の本がプレゼントされ、洋書を深く味わうことができるようになっている。
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