【新華社モスクワ３月１２日】ロシア海軍はステルス性を備えた２２１６０型小型哨戒艇（以下、２２１６０型哨戒艇）に、偵察任務などを行う無人水上艇を一隻配備する。ロシアの近海と排他的経済水域（ＥＥＺ）における防衛・テロ対策能力強化が目的。
露テレビ局ロシア・トゥデイが８日に報じたところによると、２２１６０型哨戒艇の任務は領海・海軍基地・海岸の重要設備を守ることであり、海賊・密輸行為の撲滅や、ＥＥＺ内の違法操業の取り締まりも行う。露海軍はすでに２２１６０型哨戒艇を６隻発注しており、さらに６隻の購入を計画しているという。初回発注分の１号艇は黒海で運用される予定だ。
研究開発機関の説明によれば、このタイプの哨戒艇は強力な電子戦システムを備えている。艇体上部はレーダー反射率が比較的小さい新型複合材料を採用しており、艇型には一定の勾配がつけられ、外部に露出する直角型構造物はほぼ無い。このように設計することで、敵側がこの哨戒艇をレーダーで探知する際に受信するレーダー反射波を著しく減じることができるという。
２２１６０型小型哨戒艇の排水量は１７００トン、航行速度は最大３０ノットで、航続時間は６０日間、航続距離は最大約６千海里。巡航ミサイル「カリブル－ＮＫ」を装備し、甲板にヘリコプター１機を載せることができ、乗員数は全体で８０名となっている。
研究開発機関の専門家は、２２１６０型哨戒艇の甲板には無人水上艇を搭載するためのスペースがあり、専門部隊がメンテナンスと操縦を行うと説明した。海上防衛にあたる人員の安全が脅かされる可能性のある海域で、広範囲の迅速なパトロールや検査、監視が必要とされる際には、この無人水上艇が海面に下され、無線による遠隔操作で任務を遂行するという。無人水上艇は母艦の周囲、半径数十キロメートルの範囲で、疑わしい船舶やサイズの小さい漂流物、沿岸の目標物をチェックし、取得した情報を無線で母艦に送信することも可能だ。
ロシアの軍事評論家ボルチェンコフ氏は、軍艦への無人装備の配備は海軍の基本方針の一つだと指摘した。２２１６０型哨戒艇に無人水上艇を配備することで、母艦の偵察範囲が拡大し、哨戒艇の戦力向上に寄与するとの見方を示した。（記者／栾海）
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