【新華社北京3月11日】中国人民政治協商会議(政協)第13期全国委員会委員で首都医科大学宣武医院神経外科の首席専門家の凌鋒氏は10日午後「委員通路」(会議場に通じる通路に設けられた特設取材エリア)で取材を受け、医師と患者の関係は単なる需要と供給の関係ではなく、患者が医療機関に来るのは治療を受けるためであり買うためではない。そこには信頼と希望が託されていると語った。
45年にわたり神経外科の医師として勤務してきた凌鋒氏は「私たちの仕事は死神と綱引きをしているようなもの。一瞬でも気を抜くと1つの命が手を滑り抜けてしまう。毎日薄氷を踏む思い」と述べ「過去の失敗について語る医師たちの目には涙があふれている。こうした心が切り裂かれる感覚は、一般の人には想像出来ない」と語った。
凌鋒氏は、患者は信頼するからこそ命を預けるのであり、医師は全力で治療に当たるべきとの認識を示した。一方で、人体はまるで「小宇宙」のように複雑で、医学がすべてを解決出来る訳ではないことも知って欲しいと訴え、医師が全力を尽くしても期待された治療効果が得られないことは医師にとっても辛いことだと語った。
凌鋒氏はまた「医師と患者の関係は信頼と救護の関係であり、最も純粋かつ神聖な関係」と述べ、医師が全力を尽くすだけでなく、社会全体が医師の診療行為を理性的に見守り、医師と患者との関係を擁護していくよう呼びかけた。
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