【新華社昆明3月1日】雲南省の考古学調査チームはこのほど、騰衝市の羅古城遺跡の実地調査を行い、遺跡の範囲や形状の確認を進め、レンガの破片や陶器のかけらなどを発掘した。古代シルクロードの南アジア回廊の研究に最新の考古学的資料を提供するものと期待されている。
雲南省文物考古研究所の何金竜研究員によると、羅古城は「版築」(土を建材に用い強く突き固める方法)によって方形に築かれていた。東と南の城壁の版築面は滑らかで、突き固めた跡が密集しており、版築面のラインははっきりとしている。初期調査によると、古城の大きさは南北182メートル、東西177メートルにわたり、城壁の東西南北にはそれぞれ一つずつ門が築かれ、門の外には「馬面」(城壁に間隔を空けて設けられた突出部)や高台など軍事防衛設備が設けられていた。
考古学者らは遺跡内で試掘坑を3カ所掘り、20の遺物包含層を発見した。年代は南詔国(737-902年)の時代からその後の各時代にまたがり、レンガの破片や陶器のかけらなどが遺存している。さらに東の城壁の外では幅7メートルの堀の跡も初めて発見された。
専門家によると、同地はかつて南西部の少数民族の軍事的な要地であっただけでなく、古代シルクロードの繁栄期には各地を行き来する商人が集まり、物資を交換し、文化が混ざり合う場所でもあったという。
何金竜研究員によると、古代シルクロードの「南アジア回廊」は昔から、南アジア諸国と中国の内陸をつなぐ重要な道だったが、「雲南区間」に関する学界の研究はこれまで多くが文献資料を扱うものに限られてきた。考古学作業が進むにつれ、遺跡に隠されたシルクロード文化の要素はさらにはっきりとその姿を現すものとみられる。
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