【新華社ヨハネスブルグ2月20日】南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領がこのほど辞任を発表した。与党のアフリカ民族会議(ANC)議長で副大統領のシリル・ラマポーザ氏が大統領代行を務める。
アナリストは、「今回の辞任劇によってANC内部の権力闘争の色彩を帯びた政界の波乱が一段落し、同国の社会や政治の安定、国の再建が新たな発展の追い越し車線を進むことになるだろう」と見ている。
アナリストは更に、「ズマ政権では当初の選挙公約が実現できず、犯罪率や失業率が高止まりし、汚職も目立っていた。ズマ氏自身も私邸建設のための公共資金流用により謝罪を迫られていた」と指摘する。
ANC幹部からは、このままズマ政権が続けば民衆の怒りがさらに高まり、2019年の大統領選挙の戦況も危うくなるとの懸念の声が出ており、今回の辞任はANCによる「損切り」とも言える。
ズマ氏の辞任後、同国の政局の注目点はラマポーザ氏に集まっている。
ズマ政権後期には、グプタ家との癒着疑惑や国営電力会社の汚職疑惑など、スキャンダルが多く取り沙汰され、国民を苛立たせた。
ラマポーザ氏はANC議長に当選してからすご腕を発揮し、ズマ氏とは異なる指導者像を国民に示している。今年1月末、ダボス会議に出席する前に国営電力会社の理事会メンバーの交代を要求した。これと同じタイミングで、警察当局が汚職事件の証拠収集を目的にエース・マガシューレ(Ace Magashule)ANC事務局長兼フリーステイト州州長の事務所を捜索している。
アナリストは「ラマポーザ氏にとって最初の主要任務はANCの汚職メンバーを含む汚職対策であり、反汚職を国全体にまで広げることだ。大きなチャレンジだが、党内の分裂危機を克服した後では、反汚職という重大な任務を実現することができなくなるだろう」と指摘する。
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