一部の海外メディアは、「中国製造2025」はハイエンド産業において海外ではなく中国の技術を用い、外国製品ではなく中国製品を用い、かつ中国ハイテク企業の世界的な競争力を高めるものと懸念している。
なぜハイエンド産業の中で自国のコア技術を発展させようとするのだろうか。本当に外国の技術の代わりになろうとしているのだろうか。記者はこれらの問題をめぐり、政府関係者と業界内の専門家を取材した。
すべての代替は不可能
中国工業・情報化部計画司の李北光副司長は、経済日報の取材に応じた際に「一部の海外メディアは中国製造2025が、輸入の代替を目指していると考えているが、これは誤読・誤解だ。中国はやはり発展途上国であり、先進的な技術と製品に対して大きな需要を持つ。中国製造2025の策定と実施は、中国の産業モデルチェンジ・アップグレードの促進を加速するためだ。自主革新とハイエンド製造業の発展に取り組むのも、中国経済の発展、国民生活の改善、国家安全保障の需要を満たすためだ」と指摘した。
「海外ではなく中国の技術」という海外メディアの声に対して、国務院発展研究センター産業経済研究部の許召元研究員は「海外メディアは心配しすぎだ。すべてのハイテク業界を独占し、その代替を果たすことのできる国は存在しない。世界の主要先進国の経験を見ると、後から発展した国は産業アップグレード、ハイエンド産業の比率上昇という道を歩む。この過程により、世界の製造業に重大な影響を及ぼしたことはない。例えば日本、韓国、ドイツは製造業の追い抜きと台頭の過程において、米国製品の完全な代替を実現しなかった」と分析した。
つまり中国製造2025の実施は、一部業界のさらなる技術進展、中国独自のハイエンド技術の発展を促し、かつ他国のハイエンド産業と一定の競争を形成することは間違いない。しかし各国には独自の強みを持つ産業があり、ある国の製造業が完全に外国の製造業の代わりを果たすということはない。
不公平ではない
中国製造2025が発表されると、中国は国内企業への投資を拡大し、海外企業にとって不公平になるという説が唱えられた。李氏は「中国製造2025を実施してから2年以上に渡り、国内外の企業に対して同じ基準を採用しており、同一視している。国務院は2017年1月に通知を出し、外国企業と国内企業は等しく中国製造2025の適用対象になるとした」と指摘した。
例えば製造業革新センターの設立について、国家動力電池革新センターはカナダのウェスタンオンタリオ大学と共同実験室を設立し、国家付加製造革新連盟は海外メンバーとして3社を迎えている。スマート製造について、南通中遠川崎船舶工程有限公司の「船舶製造スマートライン試行 模範」は、スマート製造試行 模範プロジェクトに指定されている。
李氏は「C919は国内外企業の協力のモデルだ。そのエンジン、アビオニクス、飛行制御システムは欧米との合弁企業もしくは全額外資企業から供給されている。サプライヤーには米ゼネラル エレクトリックやハネウェルなどが含まれる。1級サプライヤーにはグローバル企業が十数社、2 3級サプライヤーにはさらに数百社が含まれる」と補足した。
国内外市場に商機をもたらす
李氏は「中国は中国製造2025を積極的に推進し、各国企業により大きな市場のチャンスと協力の将来性をもたらしている。中国製造2025が発表されると、中国は一部の国と積極的な交流と協力を展開した。例えば中国製造2025について、ドイツのインダストリー4.0と協力枠組みを構築し、積極的な成果を手にしている」と話した。
しかしコストなどの要因により、欧米の先進国の長所と重点はハイエンド製造業に集中している。中国の製造業がロー・ミドルエンドからミドル・ハイエンドに発展するためには、段階を踏まえる必要がある。李氏は「今後一定期間に渡り、中国は米日などの製造業強国と相互補完関係を維持する。すでに形成されている世界分業構造及び競争の流れに、短期間内に根本的な変化が生じることはない」と予想した。
(チャイナネット)
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