卒業シーズンの到来と同時に、企業の新卒採用ラッシュも訪れている。企業は優秀な人材を獲得しようと躍起になっているが、人事担当者の多くは、「8人に採用通知を出しても、イエスの返事が返ってくるのは3人のみ。『95後(1995年以降生まれ)』の卒業生は全く当てにならない」とぼやいている。北京晩報が伝えた。
ここ数年続いた就職難とはうって変わり、各企業は現在、人材獲得難・人材保留難に陥ることが当たり前となっている。企業の人事部にとって最も頭が痛いのは、いかに必要な数の人材を獲得するかという点だ。人事部門管理職が集まった微信(Wechat)グループでは、「今日もまた逃げられた」という愚痴が飛び交っている。
某出版社の人事部で働く鞏さんは、次のように話した。
「会社は、3人の編集者を募集する予定だった。オンライン・現場・微信(Wechat)などさまざまなルートを通じて人材募集を行ったが、応募してきたのはわずか20人ほどだった。履歴書による書類審査を経て、条件に見合う応募者はその半分にも満たないことが分かったため、その数人全員に面接試験の通知を出した。計8人だった。私は一人ひとりに電話をかけて面接について知らせた。すると、数人は非常に丁寧に、他の数人は極めてぶっきらぼうに、『電話で言われても覚えられません。ショートメッセージで面接の場所と時間を送っていただけますか?』と言った。私はそれでも彼らの要求に忠実に対応した。電話を置くと、すぐにショートメッセージを作成して送信した。気を利かせて、どのバスに乗れば良いかということまで細かく書いておいた。しかし、面接の前日になっても、やはり安心できなかった。これまでに約束を反故にされた苦い経験が何回もあったからだ。私は8人の応募者に対して、ショートメッセージで明日の面接について確認メッセージを送った。翌日、祈る気持ちで応募者が来るのを待った。心の奥底ではかなり心配していた。面接するのは会社のトップだったため、もし彼らが来なかった場合、私はどうやってトップを納得させれば良いのか見当がつかなかった。残念ながら、心配した通りの結果になった。8人のうち来たのは3人だけ。残りの5人は姿を見せなかった。5人のうち1人だけ、面接開始30分前に『行きません』という断わりのショートメッセージを送ってきた。他の4人は何の音沙汰もなかった。新卒生は毎日のように、『就業難』、『求職難』と訴えているが、我々も採用に力を入れている。これが『採用難』でないなら一体何なのか」。
苦労して採用にこぎつけても、それで「めでたしめでたし」では終わらない。続いて、応募者の「即辞退」をいかに防ぐかという問題に知恵を絞らなければならない。というのも、インターンシップ中でも就職を取りやめる、あるいはちょっとした意見の違いで辞職するといった現象が当たり前のように起こっているからだ。
いつも就職説明会巡りを繰り返している人は、ある奇妙な現象に気づくに違いない。それは、多くの企業が各大型説明会の「常連」で、説明会が開かれるたびに彼らの姿を目にするという状況だ。また、どの説明会でも同じ採用パンフレットを使い、同じポストを募集しており、彼らがまるで詐欺師ではないかと思わず疑ってしまいそうになる。あるバイオ医学テクノロジー企業の採用担当者は、次の通り話した。
「本当に採用が難しくなった。入社後数日も経たずに辞職してしまうケースもあり、ひたすら募集し続けるしかない。新卒生の多くは、まだ卒業していないという理由で、企業と第三者契約を取り交わすことを躊躇する。まず、インターンまたは試験雇用という名目で仕事をスタートするが、彼らはそこが『最終決定地』だとは思っていない。この期間にも、そこをキープしつつより良い条件の企業を探し続けている。仕事をしながら、より報酬が高く、将来性の高い仕事を探している。『家から遠い』、『仕事がキツイ』、さらには『近くに食事をする店が少ない』など、いったん会社に関する条件に不満な点を見つけると、いとも簡単に辞退する」。
情報サイト「58同城」招聘部門が、職場での「即辞職」現象について特別調査を実施した。その結果、新卒生のうち、「入社後2ヶ月以内に辞職した」という人は34.2%を占め、一線都市の新卒生では、この割合が5割を上回った。このうち特に「即辞職」した人が多かったのは、飲食・文化娯楽・医薬・販売など、入社条件が緩く、仕事量が多い業界だった。また、「期待」と「報酬」のギャップが大きいことが「即辞職」の主な原因となっていた。
(人民網日本語版)
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