床に伏している高齢者をベッドの上に起こす方法は?彼らを立たせる介助の正しいやり方は?中国の各大学で医学・看護を専攻している学生がこのほど東京のニチイ学館を訪れ、日本の介護方針や介護実習を体験・学習した。
「養老」といえば、人々は一般的に、高齢者の世話や看護を行うことを思い浮かべるが、「介護」は、比較的最近、日本から導入された概念といえる。介護は、高齢者の衣・食・住・移動について、全面的に世話をするということではなく、「自立支援」を提供することを基本コンセプトとし、高齢者自身が備えた日常生活における活動能力を最大限に発揮して質の高い生活を送ることができるよう手助けをすることだ。「養老から介護へ」は、高齢者ケアに対する考え方の転換であるといえよう。50年の歴史を誇るニチイ学館は、日本の介護業界の先駆者的存在であり、豊富な介護経験を擁し、200万人を超える介護従事者を育成してきた。
21日午後、西安交通大学や中南大学など各大学で医学・看護学を学ぶ40数人の学生がニチイ学館を訪れ、介護講座を担当する寺田講師の説明を聴き、日本の介護技能を学習・実習した。例えば、高齢者を寝た姿勢から支え起こすには、脚を曲げ、下肢を降ろすといった動きをするのを助ける。また、座った姿勢の高齢者を立たせるには、両足を開く・身体を前傾させるといった動作をするのを助ける。さらに、介護者が一連の準備動作をしなければならない。
寺田講師は、「加齢に伴う心身の衰弱によって、高齢者は、以前は問題なくできていた動作を一人で行うことが難しくなる。介助が過度になると、高齢者の生活態度が消極的になりがちで、日常生活に必要な動作をする能力が日増しに低下し、さらなる悪循環に陥る恐れがある。このため、ニチイ学館では介護サービスの最も重要な目標として、介護される人自身の力をできる限り引出し、自立を助けることを掲げている」と話した。
体験学習に参加した中国の大学生たちは、それぞれ、非常に為になったと話した。中南大学の■南(■は登へんにおおざと)さんは、「日本の介護スタッフは、非常に仕事熱心で、業務の最中に介護を受ける人がどんな心理状態にあるかに対して常に気を配っている。介護のプロセスも、極めて細やかで人間的だ」と感想を漏らした。
ニチイ学館は2016年4月、中国での介護サービス業務を正式にスタート、現時点で、中国20都市あまりに介護スタッフを配置している。介護サービスの内容は、今のところ、訪問サービスが中心だが、今後は介護ホームを開設する計画という。
(人民網日本語版)
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