日本のアパホテルが南京大虐殺と慰安婦に関する歴史を否定する書籍を客室に配備していたことが明るみになると、被害国である中韓両国の国民をはじめとする多くの人々のから怒りの声が上がった。アパホテルが置いていたのは、アパグループCEOの書いた書籍である。ホテル経営層の理念と意識は企業文化に浸透しており、問題の書籍の配備もホテル側の故意の振る舞いと考えられる。
アパホテルの事件は個別の事件にすぎない。だがその背後には、より深いレベルの原因が隠れている。日本の社会においては、政治右傾化の影響と危害が加速度的に高まっている。筆者はしばらく前、日本の11都市を回り、南京大虐殺の歴史的事実について講演したが、日本人の歴史に対する態度が明らかに変化していることをじかに感じた。一部の人は、右翼勢力による侵略と加害の歴史の否定を歓迎さえしている。特に安倍首相が就任してからの近年は、ひどい事件が次々と続いた。人々は、NHKの経営委員を務めた百田尚樹が南京大虐殺の存在を否定したことや、大阪市市長だった橋下徹が「慰安婦」の強制連行が日本国家の行為であったことは確認できないと語ったことなどを忘れることはないだろう。こうした問題は、日本の政治状況の不健全性を示している。歴史に対する態度の間違いはすでに個別の事象ではなく、日本社会で蔓延と拡張を続ける傾向となっている。
歴史は直視されなければならず、歴史の被害者は尊重されなければならない。日本国内ではしばしば、一部の人々が、言論の自由を盾にして歴史の大っぴらな否定を正当化し、中韓両国の国民の感情を傷付ける。南京大虐殺にせよ「慰安婦」にせよ、大量の歴史的事実によってすでに証明されている。大勢の被害者の家族と遺族の名誉にかかわる問題であり、人々の良識と道徳をはかる物差しとも言える。アパホテルが、南京大虐殺の歴史などを否定する書籍を客室に配備し、人々に間違った情報を伝え、人々を傷つけようとしたことに、日本の華人や韓国系住民は怒っている良識のある日本人も、こうした行動を恥じ、言論の自由の保護の対象とは言えないと批判している。(筆者:中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞記念館元館長、南京大虐殺史・国際平和研究院研究員)
(チャイナネット)
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