ここ数年、ヘアカラーの好みに大きな変化が起こっており、まるで高齢者のような「グレーヘア」にカラーリングする人がますます増えている。同様に日本でも現在最も人気なヘアカラーリングが「銀髪」だ。以前は白髪を黒や茶色に染める人が多かったが、今では銀色や白といった新しい色が日本の消費者の間で人気を集めている。アーティストの吉川晃司や坂本龍一、ファッションデザイナーの島田順子など、白髪をおしゃれなファッションとして楽しむ日本の中高年の有名人がますます増えてきているからだ。そして若者もアーティストやアニメ ゲームのキャラクターの影響を受け、白や銀色にカラーリングし始めていることも関係している。(文:張冠楠。光明日報掲載)
東京渋谷のある雑貨店では、2016年3月から白銀髪のヘアワックスやヘアカラー剤を特に専門的に販売し始めた。同店スタッフによると、一部の若い顧客だけでなく、意外にも中高年の顧客が多く、外国人もこれらを東京における流行の最先端とみなし、一括で大量購入する人も多いという。
銀髪ブームが日本にあっという間に広まった原因は少なくない。日本の若者の場合は、マンガやコスプレといったカルチャーの影響を受けて、黒髪を白や銀色に染めることが流行っている。またこれをビジネスチャンスとみた日本のメーカーが塗るだけで髪を白や銀色に染めることができ、シャンプーで簡単に洗い落とせるヘアワックスの生産をしたため、髪を手軽に白く染めたい人にとってこの上なく便利な商品となっている。
また日本ではすでに白くなった髪を黒に染め直さずに、そのままの色を保つ中高年もますます増えてきている。その理由の一つとして、髪を染めても何日も経たないうちに、髪の根元が白く変わり、たびたび染め直すのは面倒だという点が挙げられる。それならば、そのままの色にしておくほうが、おしゃれで手間がかからないという訳だ。さらにもう一つの理由として、有名人の多くが銀髪にすることで、銀色や白色の髪が単なる老化現象だけでなく、知性や大人らしさ、落ち着き、上品さなどの大人の雰囲気を漂わせるというイメージが定着し、人々が好感を持つようになった点が挙げられる。
20-69歳の2万人を対象にした日本のある調査によると、白髪を気にし始める平均年齢は男性が37.4歳、女性が38.3歳となった。そして白髪がある人の約70%以上が髪を黒く染めないと回答し、その割合は男性が5人に4人、女性は3人に1人だった。髪を黒く染めない理由として、多くの人が自然な状態にしておきたいし、髪を染めるのが面倒と回答している。
ヘアカラーの変化は服装のコーディネートにも変化をもたらしている。白髪や銀髪の色はダークグレー、濃いグレー、薄いグレーなどに分類され、白の綿Tシャツや青のジーンズとマッチする。このように、おしゃれの範囲がさらに広がり、白髪や銀髪が魅力を発揮することで、銀髪ブームはますます広がりをみせている。
(人民網日本語版)
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