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安倍首相の2016年:世界各地を奔走 実績には疑念も
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-12-23 10:01:52 | チャイナネット | 編集: 郭丹

   国内の熱気を失った内政に取り組むよりも、外交に精力を投入して国際舞台に立った方が世界の注目を浴びることができる。安倍首相はこれまでずっと、外交活動で世界の関心を集め続けてきた。(文:李若愚 中国社会科学院日本研究所政治研究室研究者)

   第二次安倍政権の発足後、安倍首相は「地球儀を俯瞰する外交」という戦略を打ち出し、2015年11月27日までに62カ国 地域を訪れた。2016年に入っても、安倍首相はますますその取り組みに拍車をかけ、世界各地を引き続き駆け巡っただけでなく、重量級の客人を何人も日本に招き、いくつもの「初めて」を達成してきた。安倍首相は来年1月27日前後、つまりトランプ氏が米国の大統領に正式に就任してから1週間前後で米国を訪れるとの計画もある。そうなれば安倍首相は、トランプ大統領の就任式後初めて訪米する外国の指導者となる。

   安倍首相は苦労をいとわずに世界各地を駆け巡り、関心を集めるという点では確かに大きな成果を上げてきた。だがその実績から安倍首相の2016年の外交上の収獲を考えると、評判が高いばかりで効果はあまりなかったのではないかとの疑念が浮かぶ。安倍首相は、原子爆弾の犠牲者に哀悼を示すためのオバマ大統領の広島訪問の実現に成功した。だがオバマ大統領はスピーチで、「非核」の理念を語っただけで、日本への謝罪の問題に触れることはなかった。プーチン大統領が安倍首相の故郷で安倍首相と語ったのは、ロシア側が関心を持つ両国の経済協力についてであり、両国の領土問題は首脳会談で話題にならなかったとの報道もある。日本側が関心を寄せる北方領土問題では、安倍首相はどちらにせよ、進展を実現することはでいなかった。安倍首相がトランプ氏に大急ぎで会ったのは、米大統領選前にほかの多くの人と同様、ヒラリー候補が勝つと考えて動いていため、その失敗を埋め合わせ、トランプ氏の対日政策に探りを入れるためだった。安倍首相がトランプ氏の対日政策を正しく読むことができたかは判断し難いが、当選後のトランプ氏は米国のTPPからの撤退を再度明言しており、国内でTPP推進に尽力して来た安倍首相にとっては大きなダメージとなった。

   中日関係については、中国社会科学院の呉懐中教授がその文章の中で正しくもこう指摘している。「安倍首相の誠意と高みを欠いた態度と、中国の包囲と牽制を推し進めるその外交は、これまでと同じ『二枚舌』だ」。このような方針に指導されていたのでは、中日関係の根本的な改善は不可能だ。

   内政に目を向けると、連立与党の国会での優勢を考えれば、安倍首相の道のりがよりスムーズなものであることは間違いない。すでに戦後3番目の長期政権を築いている安倍首相は、さらに2021年まで首相の座にとどまる可能性もあり、そうなれば日本史上で任期最長の首相となる。

   自民党率いる連立与党が国会で絶対多数を占めていることは、野党に対する安倍首相の強硬姿勢を可能としている。だがこれは、安倍首相が内政においてやりたい放題だということは意味していない。今年は少なくとも、安倍首相にとってはおもしろくない二つの事件があった。一つは、自民党の小池百合子氏が党の決定に反し、「造反」して東京都知事選に参加し、当選したことである。小池派の候補は東京都の一連の選挙で勝利しており、新たな勢力が形成されつつある。安倍首相は、民意の反発を回避するためには、造反した小池氏を党紀処分することもできず、その勢力がますます拡大するのを見ているしかない。

   安倍首相がなすすべをなくしているもう一つの出来事の主役は日本の天皇である。明仁天皇は近年、天皇の座からの「退職」したいとの希望を外部に伝え続けて来た。今年8月には、公開メッセージで「辞意」を表明した。天皇が退位を求めた原因の一つは、平和憲法の改定と歴史問題について安倍首相に多くの不満を持っていることともされている。この点を裏付けるのは困難だが、天皇の退位は安倍首相にかなりの精力を割かせることとなり、安倍首相の改憲プロセスに一定の影響を与えるものと考えられる。

   安倍首相の2016年の取り組みを振り返ると、その勤勉さは否むことはでkない。だが中国には、「過猶不及」(過ぎたるは及ばざるがごとし)との言い伝えもある。中日関係のような問題においては、まずは態度をただし、方向を見定めなければ、いかなる行動も目論見をはずれ、逆効果を生むことにさえなりかねない。

 

(チャイナネット)

 

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新華網日本語

安倍首相の2016年:世界各地を奔走 実績には疑念も

新華網日本語 2016-12-23 10:01:52

   国内の熱気を失った内政に取り組むよりも、外交に精力を投入して国際舞台に立った方が世界の注目を浴びることができる。安倍首相はこれまでずっと、外交活動で世界の関心を集め続けてきた。(文:李若愚 中国社会科学院日本研究所政治研究室研究者)

   第二次安倍政権の発足後、安倍首相は「地球儀を俯瞰する外交」という戦略を打ち出し、2015年11月27日までに62カ国 地域を訪れた。2016年に入っても、安倍首相はますますその取り組みに拍車をかけ、世界各地を引き続き駆け巡っただけでなく、重量級の客人を何人も日本に招き、いくつもの「初めて」を達成してきた。安倍首相は来年1月27日前後、つまりトランプ氏が米国の大統領に正式に就任してから1週間前後で米国を訪れるとの計画もある。そうなれば安倍首相は、トランプ大統領の就任式後初めて訪米する外国の指導者となる。

   安倍首相は苦労をいとわずに世界各地を駆け巡り、関心を集めるという点では確かに大きな成果を上げてきた。だがその実績から安倍首相の2016年の外交上の収獲を考えると、評判が高いばかりで効果はあまりなかったのではないかとの疑念が浮かぶ。安倍首相は、原子爆弾の犠牲者に哀悼を示すためのオバマ大統領の広島訪問の実現に成功した。だがオバマ大統領はスピーチで、「非核」の理念を語っただけで、日本への謝罪の問題に触れることはなかった。プーチン大統領が安倍首相の故郷で安倍首相と語ったのは、ロシア側が関心を持つ両国の経済協力についてであり、両国の領土問題は首脳会談で話題にならなかったとの報道もある。日本側が関心を寄せる北方領土問題では、安倍首相はどちらにせよ、進展を実現することはでいなかった。安倍首相がトランプ氏に大急ぎで会ったのは、米大統領選前にほかの多くの人と同様、ヒラリー候補が勝つと考えて動いていため、その失敗を埋め合わせ、トランプ氏の対日政策に探りを入れるためだった。安倍首相がトランプ氏の対日政策を正しく読むことができたかは判断し難いが、当選後のトランプ氏は米国のTPPからの撤退を再度明言しており、国内でTPP推進に尽力して来た安倍首相にとっては大きなダメージとなった。

   中日関係については、中国社会科学院の呉懐中教授がその文章の中で正しくもこう指摘している。「安倍首相の誠意と高みを欠いた態度と、中国の包囲と牽制を推し進めるその外交は、これまでと同じ『二枚舌』だ」。このような方針に指導されていたのでは、中日関係の根本的な改善は不可能だ。

   内政に目を向けると、連立与党の国会での優勢を考えれば、安倍首相の道のりがよりスムーズなものであることは間違いない。すでに戦後3番目の長期政権を築いている安倍首相は、さらに2021年まで首相の座にとどまる可能性もあり、そうなれば日本史上で任期最長の首相となる。

   自民党率いる連立与党が国会で絶対多数を占めていることは、野党に対する安倍首相の強硬姿勢を可能としている。だがこれは、安倍首相が内政においてやりたい放題だということは意味していない。今年は少なくとも、安倍首相にとってはおもしろくない二つの事件があった。一つは、自民党の小池百合子氏が党の決定に反し、「造反」して東京都知事選に参加し、当選したことである。小池派の候補は東京都の一連の選挙で勝利しており、新たな勢力が形成されつつある。安倍首相は、民意の反発を回避するためには、造反した小池氏を党紀処分することもできず、その勢力がますます拡大するのを見ているしかない。

   安倍首相がなすすべをなくしているもう一つの出来事の主役は日本の天皇である。明仁天皇は近年、天皇の座からの「退職」したいとの希望を外部に伝え続けて来た。今年8月には、公開メッセージで「辞意」を表明した。天皇が退位を求めた原因の一つは、平和憲法の改定と歴史問題について安倍首相に多くの不満を持っていることともされている。この点を裏付けるのは困難だが、天皇の退位は安倍首相にかなりの精力を割かせることとなり、安倍首相の改憲プロセスに一定の影響を与えるものと考えられる。

   安倍首相の2016年の取り組みを振り返ると、その勤勉さは否むことはでkない。だが中国には、「過猶不及」(過ぎたるは及ばざるがごとし)との言い伝えもある。中日関係のような問題においては、まずは態度をただし、方向を見定めなければ、いかなる行動も目論見をはずれ、逆効果を生むことにさえなりかねない。

 

(チャイナネット)

 

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