新華網北京12月20日(記者/張偉、韓墨)手を繋いだ直後に、別離を強要される。欧州に投資する中国企業はここ数年、このような「悲劇的な」裏取引に直面している。
投資会社の中国福建宏芯基金とドイツの半導体製造装置メーカー、アイクストロン社が10月に買収契約を締結し、履行し始めていたが、予想に反してドイツ政府が以前の買収許可を撤回する意向を示した。米国のオバマ大統領も裏取引に加わり、この取引が「米国の安全保障の脅威になる恐れがある」ことを理由に、中国企業によるアイクストロン社及びその米国子会社の買収を禁止すると発表した。
ドイツのほかにも、中国資本は今年、米国、オーストラリアなどでも程度の異なる曲折、又は妨害に遭った。一部の西側諸国の中国の海外投資に対する「疑念、防衛本能、さらには恐怖感」は絶えず増強されているようだ。これと同時に、中国資本は依然として急速な勢いで世界に進出し、多数の記録を塗り替え、強大な活力をアピールしている。
矛盾のように見えるこの現象をどのように理解するのか。西側社会の目に映る中国資本は果たしてどんなイメージなのだろうか。海外進出する中国企業と資本の真実の様相は一体、どういったものなのか。
「マジックミラー」に映った中国資本への偏見
欧米などの国の一部の新聞を開いて、その中の中国の投資活動に関する報道を見つけると、あなたはまずそれらの「奇想天外さ」で笑わされ、続いて中国企業のイメージが意外にもこれほどまでひどく歪曲されているのに呆然とするかもしれない。
英『タイムズ』紙のトップ記事は「言うことが全く確かな」歪曲で、中国はCCTVカメラ(閉回路テレビジョン カメラ)の販売を介して英国の民衆や空港などの公共の場所を監視するかもしれないと伝えている。『オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー ( The Australian Financial Review)』の報道は「口酸っぱく何度も繰り返し伝え」、中国人観光客はショッピングの余った時間に「情報を収集して北京側に提供し分析させている」とみなしている……
さまざまな「おかしな現状」に対し、英国の金融コラムニスト、マシュー・リン(Matthew Lynn)氏の評論が、「いわゆる『国家安全保障』の理由は例外なしに派手に立ち回って大衆の歓心を買おうとする保護主義によるものだ」とずばり端的に要点を突いている。
駐ドイツ中国大使の史明徳氏は計算して次のように述べている。「在中ドイツ企業は8200社ありますが、在独中国企業は2000社しかありません。中国のドイツにおける投資額はドイツの対中投資のわずか10%に相当し、外国の対独投資総額の0.2%を占めるにすぎません。これでドイツを買い占めることができるとでも言うのですか?」。
波が強くても、中国資本は帆を揚げねばならない
中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2002年の対外直接投資額は27億ドルで、2015年にはこの数字が1456億7000万ドルになった。13年間に中国の対外直接投資の年平均成長率は35.9%に達した。また2015年には、海外投資額が外資吸収額を超えるのを中国が初めて実現させ、資本輸出国にもなっている。
商務部研究院の元院長でシニア研究員である霍建国氏は新華社記者に、「どんな国でも、外資が短期間に集中的に進入し、頻繁に動けば、世論の関心を容易に引き付けます。中国資本に対し欧米諸国にはいくらかマイナスの感情が存在するのは、意外なことではありません」と述べ、また「中国企業は実は過度に敏感になる必要はなく、平常心でとらえ、審査などのルールがフェアであるか、差別が存在するかに注目点を置くべきで、同時に規範の操作やプロセスの一致に注意すべきだ。」と述べた。
中国企業の「海外進出」の道は引き続き広がっている
多くの専門家は記者のインタビューに応じた際、次のように指摘していた。「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」構築は正に新たな段階に向かってまい進しつつあり、次の中国の海外投資における新たな核心的駆動力になるだろう。アジアインフラ投資銀行(AIIB)、シルクロード基金などの金融支援機構が効力を発揮するに伴い、中国資本の姿がより多くの「一帯一路」の沿線諸国と地域に現れる見通しだ。
(新華社より)
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