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安倍政権、トランプ騒動で沈黙を続ける理由とは?
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-12-20 08:22:36 | チャイナネット | 編集: 吴寒冰

 トランプ次期米大統領は連日、新たな政治の波を立てている。トランプ氏は中米関係で「火遊び」を続け、慣例を破り台湾の指導者と直接電話会談し、さらには「一つの中国」という中米外交の最低原則を放棄すると脅し、国際社会を震撼させている。しかしながらこの騒動の中には、日本の安倍晋三首相の見慣れた姿がない。

間もなく終わる2016年、安倍首相は米国のアジア太平洋リバランス戦略に追随し、中国けん制のために駆けずり回り、気力と体力を使い尽くした。中米の駆け引き、例えばTHAADの韓国配備、南中国海の仲裁といった問題において、日本は存在感をアピールし、米国のお株を奪うほどだった。そのためこれまでの慣例を見ると、今回の中米の一悶着は、安倍首相が「芝居」を打つ大舞台であるはずだ。

しかし人々が固唾を呑んで見守るなか、日本の外交は同問題で長時間に渡り沈黙を維持している。安倍首相と閣僚らは日露首脳会談や月末のハワイ訪問に専念し、本件を完全に忘れているかのようだ。このような異常な現象が生じている原因については、次の3点から説明できる。

まず、トランプ氏の一連の発言は中米外交の最低ラインを脅かしており、安倍首相は自ら災いを招くのを避けようとしている。

王毅外交部長は、トランプ氏の「一つの中国」原則に関する発言について、「一つの中国という原則は中米の外交の基盤であり、台湾問題は中国の核心的利益に関わる。この最低ラインを脅かそうとすれば、中国は必然的に未曾有の反撃を行う」と述べた。安倍内閣で外務副大臣を務めた自民党幹部の中山泰秀氏は11日、トランプ氏が台湾に善意を示したことで中国から報復された場合も、日本は米国の政策に追随し、台湾と軍事協力を行う可能性もあると認めた。しかしながら日本は中国の近隣国でもある。これは中米両国の駆け引きが対抗、さらには衝突に発展した場合に、肩入れをした日本が最も先に中国の怒りにさらされる可能性を意味してもいる。安倍首相の対中外交は、改憲を目的としている。中国の邪魔をし、外交の手段により国際社会で攻撃を加え、中国が容認できる範囲内で台頭をけん制する。その一方で、自ら吹聴する中国脅威論の証拠を手にする。トランプ氏の台湾に関する発言は、中国の我慢の限界を超えている。これは日本政府が望まぬことであり、そこで安倍首相は回避する態度をとっている。

次に、TPP問題でトランプ氏にはねつけられ、安倍首相は今も警戒心を抱いている。

トランプ氏がヒラリー氏に勝利するとは、日本政府の想定外だった。安倍首相は自ら「一般人」のトランプ氏を訪問せざるを得なくなった。この人と国の品格を貶める行為はオバマ大統領の不興を買い、またそれほど大きな効果を発揮していない。安倍首相の訪問目的はTPPという計画を放棄しないよう説得することだった。日本はTPPのために、すでに巨額の支出を強いられているからだ。これが失敗すれば、アベノミクスと政権運営の基盤が強い疑問にさらされる。しかし安倍首相とトランプ氏の会談の効果は理想的でなかった。日本の首相が去ったばかりで、トランプ氏は就任後まずTPP離脱に取り組むと再度表明し、日本政府にきまりの悪い思いをさせた。国会で野党から「トランプ氏が信頼に足る理由は何か」と質問された際に、安倍首相は仕方なく「トランプ氏が信頼に値すると感じている」と空虚で奇妙な回答をした。トランプ氏が今回再び事を構え、安倍首相は警戒心を強め、一定の距離を保っている。

それから、米国国内の反対意見により、日本が本件で騒ぎ立てる余地がなくなっている。

トランプ氏の台湾に関する発言は、その政権、特に共和党内の親台勢力の唆しを受けている。またトランプ氏はビジネス界出身で、相手をゆすることを得意としており、その投機的な性格とも関係している。しかし中米関係は重大事で、トランプ氏が「火遊び」をすると、ホワイトハウスと米メディアが疑問と批判の声をあげた。外交の常識が不足しており、中米の国交樹立から40年近くに渡り、多くの心血を注ぎ信頼により構築した暗黙の了解を無視しているというのだ。台湾メディアも、トランプ氏の関連する発言に気を良くしていない。各メディアは社説で、トランプ氏が「一つの中国」という原則を、中国と駆け引きする駒にすることを懸念している。中国が十分な条件を提示すれば、台湾も「商品」として売り渡されるのではないか、ということだ。トランプ氏も強い圧力を受け、態度を和らげている。トランプ氏の断固たる支持者、ギングリッチ元下院議長は、米国はこれまで通り台湾海峡の現状を支持すると説明した。主役がすでに引き下がろうとしており、脇役の安倍首相も自明の理があれば、軽率に行動することはないだろう。

トランプ氏の就任が、未来の世界発展の不確定性を高めることを認識しなければならない。この不確定性を前にし、多くの国が一時的に歩みを止め、静観を開始している。特に日米同盟を外交の礎とする日本にとって、米国の重大な政変は、安倍政権の外交を強く妨げている。今回の件を通じて、少なくともトランプ氏の正式な就任から一定期間に渡り、日本政府が軽率に揉め事を起こすことはなく、東アジア情勢が一時的に穏やかになると予想できる。(筆者:孟明銘 中国社会科学院日本研究所ポストドクター)

 

(チャイナネット)

 

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新華網日本語

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新華網日本語 2016-12-20 08:22:36

 トランプ次期米大統領は連日、新たな政治の波を立てている。トランプ氏は中米関係で「火遊び」を続け、慣例を破り台湾の指導者と直接電話会談し、さらには「一つの中国」という中米外交の最低原則を放棄すると脅し、国際社会を震撼させている。しかしながらこの騒動の中には、日本の安倍晋三首相の見慣れた姿がない。

間もなく終わる2016年、安倍首相は米国のアジア太平洋リバランス戦略に追随し、中国けん制のために駆けずり回り、気力と体力を使い尽くした。中米の駆け引き、例えばTHAADの韓国配備、南中国海の仲裁といった問題において、日本は存在感をアピールし、米国のお株を奪うほどだった。そのためこれまでの慣例を見ると、今回の中米の一悶着は、安倍首相が「芝居」を打つ大舞台であるはずだ。

しかし人々が固唾を呑んで見守るなか、日本の外交は同問題で長時間に渡り沈黙を維持している。安倍首相と閣僚らは日露首脳会談や月末のハワイ訪問に専念し、本件を完全に忘れているかのようだ。このような異常な現象が生じている原因については、次の3点から説明できる。

まず、トランプ氏の一連の発言は中米外交の最低ラインを脅かしており、安倍首相は自ら災いを招くのを避けようとしている。

王毅外交部長は、トランプ氏の「一つの中国」原則に関する発言について、「一つの中国という原則は中米の外交の基盤であり、台湾問題は中国の核心的利益に関わる。この最低ラインを脅かそうとすれば、中国は必然的に未曾有の反撃を行う」と述べた。安倍内閣で外務副大臣を務めた自民党幹部の中山泰秀氏は11日、トランプ氏が台湾に善意を示したことで中国から報復された場合も、日本は米国の政策に追随し、台湾と軍事協力を行う可能性もあると認めた。しかしながら日本は中国の近隣国でもある。これは中米両国の駆け引きが対抗、さらには衝突に発展した場合に、肩入れをした日本が最も先に中国の怒りにさらされる可能性を意味してもいる。安倍首相の対中外交は、改憲を目的としている。中国の邪魔をし、外交の手段により国際社会で攻撃を加え、中国が容認できる範囲内で台頭をけん制する。その一方で、自ら吹聴する中国脅威論の証拠を手にする。トランプ氏の台湾に関する発言は、中国の我慢の限界を超えている。これは日本政府が望まぬことであり、そこで安倍首相は回避する態度をとっている。

次に、TPP問題でトランプ氏にはねつけられ、安倍首相は今も警戒心を抱いている。

トランプ氏がヒラリー氏に勝利するとは、日本政府の想定外だった。安倍首相は自ら「一般人」のトランプ氏を訪問せざるを得なくなった。この人と国の品格を貶める行為はオバマ大統領の不興を買い、またそれほど大きな効果を発揮していない。安倍首相の訪問目的はTPPという計画を放棄しないよう説得することだった。日本はTPPのために、すでに巨額の支出を強いられているからだ。これが失敗すれば、アベノミクスと政権運営の基盤が強い疑問にさらされる。しかし安倍首相とトランプ氏の会談の効果は理想的でなかった。日本の首相が去ったばかりで、トランプ氏は就任後まずTPP離脱に取り組むと再度表明し、日本政府にきまりの悪い思いをさせた。国会で野党から「トランプ氏が信頼に足る理由は何か」と質問された際に、安倍首相は仕方なく「トランプ氏が信頼に値すると感じている」と空虚で奇妙な回答をした。トランプ氏が今回再び事を構え、安倍首相は警戒心を強め、一定の距離を保っている。

それから、米国国内の反対意見により、日本が本件で騒ぎ立てる余地がなくなっている。

トランプ氏の台湾に関する発言は、その政権、特に共和党内の親台勢力の唆しを受けている。またトランプ氏はビジネス界出身で、相手をゆすることを得意としており、その投機的な性格とも関係している。しかし中米関係は重大事で、トランプ氏が「火遊び」をすると、ホワイトハウスと米メディアが疑問と批判の声をあげた。外交の常識が不足しており、中米の国交樹立から40年近くに渡り、多くの心血を注ぎ信頼により構築した暗黙の了解を無視しているというのだ。台湾メディアも、トランプ氏の関連する発言に気を良くしていない。各メディアは社説で、トランプ氏が「一つの中国」という原則を、中国と駆け引きする駒にすることを懸念している。中国が十分な条件を提示すれば、台湾も「商品」として売り渡されるのではないか、ということだ。トランプ氏も強い圧力を受け、態度を和らげている。トランプ氏の断固たる支持者、ギングリッチ元下院議長は、米国はこれまで通り台湾海峡の現状を支持すると説明した。主役がすでに引き下がろうとしており、脇役の安倍首相も自明の理があれば、軽率に行動することはないだろう。

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