日本首相安倍晋三(資料写真)
新華網北京12月12日(記者/劉秀玲)日本では国会衆議院を賭博の合法化推進を目的としたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案(以下、賭博法案という)が通過し、与党の自民党は今週中に同法の成立を目指しているが、野党の強い反対に遭い、この法案の通過は来週まで延長される可能性が高い。
『特定秘密保護法』、新安保法、TPP批准案、年金減額法案に続き、「賭博法案」もまた、安倍政権が強行採決で成立させる法律になると見られる。安倍首相は同法案を「日本の経済成長戦略の目玉」と捉えている。これに乗じて「アベノミクス」で振るわなかった日本経済を刺激することが期待されている。一方で、賭博の特殊性に加えて、自民党の慌ただしい動きによっても同法案は日本で批判されている。
【懸念が積み重なる】
いわゆる「統合型リゾート施設(IR)整備推進法案」の核心は日本国内の統合型リゾート施設にカジノを設立し、合法的な賭博活動を展開することを許可するもので、日本メディアはそのために同法を「賭博法案」と呼んでいる。 日本の多数のメディアの民意調査で、「賭博法案」に反対する日本国民は半数を超え、且つ反対者の割合が賛成者を大幅に上回ることが示された。日本国内の「賭博法案」への懸念は主に次の2つの要因による。一つは賭博を合法化した後、「常習者」がより一層、抜け出せなくなる恐れがある。日本の厚生労働省の統計によると、日本国内の賭博依存者は計536万人に上る。もう一つは、賭博が違法者のマネー・ロンダリングの拠点になることで、治安をさらに悪化させる不安がある。 法案の審議が軽率であることも反対の原因の一つだ。共同通信社の報道によると、「賭博法案」は衆議院での審議時間が計6時間足らずだったことに、自民党と連立政権を組む公明党も不満を示している。また、自民党の中谷元前防衛大臣は投票を棄権した。
【変わらない野心】
日本の安倍首相は「賭博法案」の断固とした擁護者及び推進者だが、同法案は日本政府が提示したのではないが、同法案の日本の超党派議員連盟の元最高顧問がちょうど安倍首相だった。2014年5月、安倍首相はシンガポールのカジノのある統合型リゾート施設を視察した後、この構想が日本の経済成長戦略の「目玉」になり得ることに期待すると表明した。 「賭博の収益は負けた人の賭博資金で、サービス業や製造業のように新しい付加価値は生まれない。これはどの分野の成長産業になれるか」日本民進党の蓮舫代表(党首)は7日、安倍首相に厳しく質問した。
これに対し、安倍首相はまず、同法案は政府が提示したものではなく、「私は説明する義務がない」と語ったうえで、シンガポール視察の経験を例に挙げて「カジノの面積はリゾート施設の3%に過ぎない」と指摘した。安倍首相はまた、話題を賭博からリゾート施設に移し、最終的に「統合型リゾート施設は対外からの投資を獲得し、雇用も促進できる。」と述べた。 日本の専修大学の渡辺達朗教授は共同通信社に「リゾート関係機関はお金を儲けることができるかもしれないが、周辺地域の機会を吸い取り、地域のバランスのある発展を妨げる。日本が外国人観光客を呼び込みたいのであれば、賭博業を発展させるのではなく、自然と文化の魅力を発掘することで実現すべきだ。」と語った。
(新華社より)
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