:
専門家の分析:中国、2022年に高所得国へ
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-12-12 11:19:50 | チャイナネット | 編集: 郭丹

   上海発展研究基金会主催の「2016年中国経済フォーラム――安定成長、リスク低減、改革促進」が12月5日、上海で開催された。グローバル経済と中国経済の未来について専門家たちが熱く議論した。

   IMF前副総裁の朱民氏は、グローバル経済は依然として低成長が続いており、アメリカ経済の行方が世界最大の不確定要素となっていると述べる。

   中国の経済成長について中国社会科学院の蔡昉副院長は、「改革によって中国の経済成長のポテンシャルが高まる可能性が高い。中国は“L”型の成長をしながら、2022年に一人当たりGDPが12600ドルに達し、高所得国家に仲間入りする可能性がある」と述べる。

   「この2年でグローバル経済は、GDP成長率、投資、貿易が共に減速し、原油価格もCPIも下落し、実質利率も下がり続けるというマイナス面の影響があった」と朱民氏は指摘。その上で、今後2~3年のグローバル経済は引き続き低空飛行を続けると予測する。

   トランプ氏の経済政策が世界に与える影響について朱民氏は、確定的なものと不確定なものに分けて解説する。「確定的なものは、トランプ氏が当初考えていた通り、企業所得税の35%から15%に減税すること、アメリカ本土の企業の貿易保護主義的措置を実施することなどだ。不確定なものは、トランプ氏がどうやってその政策を実施するのかということだ」。

   朱民氏は、アメリカがインフラへの支出を増やすことで経済が活性化すると分析する。同時に、2016年にFRBが利上げし、来年も引き続き利上げする可能性があると予測する。「米ドルが強くなるに従い、グローバル資本も影響を受ける。一方、アメリカも財政赤字や経常赤字に直面するため、米ドルの動きは上下することになる。そのため、資本市場や中国経済はその影響を受けるだろう」。

   また蔡昉氏は、“第13次五カ年計画”の期間、中国経済のGDP成長率は6.2~6.7%で推移すると予測する。国家情報センター経済予測部のシニアエコノミストである祝宝良氏と、中国の著名なエコノミストで上海新金融研究院学術委員の李迅雷氏は、両者ともに、2016年のGDP成長率を6.7%、2017年のそれを6.3%と予測している。

   祝宝良氏によると、中国経済はまだ底入れしておらず、2回目の底が2018年に来ると予測する。李迅雷氏も、2017年も中国経済の下振れ圧力はまだ続くと見ている。

   中国経済の潜在成長率について蔡昉氏は、中国経済は短期的、中期的の2つの“L”型成長を続けていると考える。不可逆的な人口ボーナス消失の影響を受け、中国経済の潜在成長率は下がりつつあり、“V”型の動きを見せることはないとしたうえで、改革によって潜在成長率の水準を上げることは可能だと指摘する。

   蔡昉氏によると、長期的な“L”型成長は、長期的な改革のボーナスでもたらされる。たとえば、戸籍制度改革と供給サイドの効率向上が、非農業労働の参与率を高め、全分野での生産率を高める。需要側の効率向上は消費を拡大させる。教育訓練改革と出産政策の調整も、供給側と需要側の両面から潜在成長率を高める。同紙は、中国の1人当たりGDPは2022年に12600ドルに達し、高所得国家に仲間入りする可能性が高いと述べる。

   祝宝良氏は、中国経済の成長は供給サイドの構造改革を主路線としながら、生産調整の範囲を拡大させることが必要だと指摘する。非鉄金属や造船などの納入には市場の役割を強化し、企業の債務圧縮は慎重に行い、リスク防止を重視しながら、行政、国有企業、金融、財政、土地制度、社会保障などの改革を推進すべきだと指摘する。

 

 (チャイナネット)

 

推薦記事:

英メディア:中国の消費者はネットショッピングの面で先進国をリード

中国の11月生産者物価指数1・5%上昇 過去4年8カ月で最高

 

新華網日本語

専門家の分析:中国、2022年に高所得国へ

新華網日本語 2016-12-12 11:19:50

   上海発展研究基金会主催の「2016年中国経済フォーラム――安定成長、リスク低減、改革促進」が12月5日、上海で開催された。グローバル経済と中国経済の未来について専門家たちが熱く議論した。

   IMF前副総裁の朱民氏は、グローバル経済は依然として低成長が続いており、アメリカ経済の行方が世界最大の不確定要素となっていると述べる。

   中国の経済成長について中国社会科学院の蔡昉副院長は、「改革によって中国の経済成長のポテンシャルが高まる可能性が高い。中国は“L”型の成長をしながら、2022年に一人当たりGDPが12600ドルに達し、高所得国家に仲間入りする可能性がある」と述べる。

   「この2年でグローバル経済は、GDP成長率、投資、貿易が共に減速し、原油価格もCPIも下落し、実質利率も下がり続けるというマイナス面の影響があった」と朱民氏は指摘。その上で、今後2~3年のグローバル経済は引き続き低空飛行を続けると予測する。

   トランプ氏の経済政策が世界に与える影響について朱民氏は、確定的なものと不確定なものに分けて解説する。「確定的なものは、トランプ氏が当初考えていた通り、企業所得税の35%から15%に減税すること、アメリカ本土の企業の貿易保護主義的措置を実施することなどだ。不確定なものは、トランプ氏がどうやってその政策を実施するのかということだ」。

   朱民氏は、アメリカがインフラへの支出を増やすことで経済が活性化すると分析する。同時に、2016年にFRBが利上げし、来年も引き続き利上げする可能性があると予測する。「米ドルが強くなるに従い、グローバル資本も影響を受ける。一方、アメリカも財政赤字や経常赤字に直面するため、米ドルの動きは上下することになる。そのため、資本市場や中国経済はその影響を受けるだろう」。

   また蔡昉氏は、“第13次五カ年計画”の期間、中国経済のGDP成長率は6.2~6.7%で推移すると予測する。国家情報センター経済予測部のシニアエコノミストである祝宝良氏と、中国の著名なエコノミストで上海新金融研究院学術委員の李迅雷氏は、両者ともに、2016年のGDP成長率を6.7%、2017年のそれを6.3%と予測している。

   祝宝良氏によると、中国経済はまだ底入れしておらず、2回目の底が2018年に来ると予測する。李迅雷氏も、2017年も中国経済の下振れ圧力はまだ続くと見ている。

   中国経済の潜在成長率について蔡昉氏は、中国経済は短期的、中期的の2つの“L”型成長を続けていると考える。不可逆的な人口ボーナス消失の影響を受け、中国経済の潜在成長率は下がりつつあり、“V”型の動きを見せることはないとしたうえで、改革によって潜在成長率の水準を上げることは可能だと指摘する。

   蔡昉氏によると、長期的な“L”型成長は、長期的な改革のボーナスでもたらされる。たとえば、戸籍制度改革と供給サイドの効率向上が、非農業労働の参与率を高め、全分野での生産率を高める。需要側の効率向上は消費を拡大させる。教育訓練改革と出産政策の調整も、供給側と需要側の両面から潜在成長率を高める。同紙は、中国の1人当たりGDPは2022年に12600ドルに達し、高所得国家に仲間入りする可能性が高いと述べる。

   祝宝良氏は、中国経済の成長は供給サイドの構造改革を主路線としながら、生産調整の範囲を拡大させることが必要だと指摘する。非鉄金属や造船などの納入には市場の役割を強化し、企業の債務圧縮は慎重に行い、リスク防止を重視しながら、行政、国有企業、金融、財政、土地制度、社会保障などの改革を推進すべきだと指摘する。

 

 (チャイナネット)

 

推薦記事:

英メディア:中国の消費者はネットショッピングの面で先進国をリード

中国の11月生産者物価指数1・5%上昇 過去4年8カ月で最高

 

010020030360000000000000011100531358985761