中国青少年研究センターは、1999年、2005年、2010年、2015年の4回にわたり、全国10省(直轄市)において、中国少年・児童発展状況をめぐる調査を実施し、「中国少年・児童発展状況研究報告」として取りまとめた。同報告では、主に2005年と2015年の調査データに基づき、「90後(1990年代生まれ)」と「00後(2000年以降生まれ)」の特徴が記述・比較されている。「00後」の価値観は、上の世代と比べてどのような変化が見られ、どのような特徴があるのだろう?中国青年報が報じた。
○特徴(1):家族愛や友情をいっそう強く求める
課題チームは、この10年間における少年児童の幸福感の変化について各世代ごとの比較を行った。その結果、温もりのある家庭を切望し、友情を必要とすることが、少年・児童にとって変わらない選択であることが分かった。
3回の調査で得られたデータによると、「温もりのある家庭」と「気心の知れた親しい友人」は、トップ2をキープした上、さらなる増加傾向を呈した。この事実から、家族愛と友情は、少年・児童の心の中で決して薄らぐことはなく、逆にますます重要な位置を占めてきていることが浮き彫りになった。特に、友情を重んじる傾向がどんどん高まっていることは、現代社会における人と人との結びつきや友人との付き合いの大切さを顕著に示している。
3回の大規模調査において、「社会貢献」の割合は、明らかに下落した。また、「事業での成功」も、やや落ち込んだ。「00後」世代は、「90後」に比べ、個人の発展や自分の感性をより重視している。個人の幸福がより重要になった分、社会における価値の追求は重視されなくなってきた。
中国青少年研究センター少年・児童研究所の孫宏艶・所長は、「20世紀末に生まれた『90後』世代の価値観は、改革開放や市場経済の急成長という刺激的な影響を受けており、人生における幸福に対する考え方も、より多様化かつ実用的になり、『事業の成功を追い求め、社会に貢献する』という傾向が強くなっている。一方、『00後』世代は、市場経済がさらに成熟し、改革開放の成果をより多く享受できる時代であり、市場経済時代から文明・法制社会への発展を遂げた時代に生まれ育ったため、『個人の価値観を満足させることで人生の幸福が得られる』という考えを持つようになった」と指摘した。