国務院報道弁公室の元主任でもある中国人民大学新聞学院の趙啓正院長が18日、「南海問題及び地域協力開発ハイエンドシンクタンク学術シンポジウム」で基調講演を行い、「平和交渉こそが中国・フィリピン間における南海問題解決の道であり、仲裁案は中国とASEANの協力関係の発展を妨げるものではない」と指摘しました。 趙院長は、「南海仲裁案は法律の衣を被った茶番だ。手続き上、適用法律上、証拠採用上などでいずれも重大な過ちを犯している。当事国合意の原則に違反し、中国が係争の解決方式を自由に選択する権利を侵犯し、フィリピンと中国が調印し、何度も確認した交渉で係争を解決するという協定に違反している他、フィリピンが『南海各方行動宣言』で同意した、関連係争を交渉で解決するという約束をも反故にした」としたうえで、「平和交渉に戻ることこそが中国・フィリピン間における南海紛争を解決するための避けて通れぬ道だ」と強調しました。
趙院長はまた、「仲裁結果が出てから、フィリピンの国民は中国との会話と経済協力を進めようという理性の声を発した。フィリピンのメディアもドゥテルテ大統領が中国に特使を派遣し、南海問題について交渉を行う予定であることを報道した。中国も、フィリピンとの関係をあるべき軌道に戻すよう、交渉の再開を期待している」と語りました。
ASEANとの関係について、趙院長は、「中国は、平和発展にとって重要な地政環境と経済環境としてのASEAN諸国との友好関係を非常に重視している。中国・ASEANが1991年に持続的な対話関係を構築してから、中国とASEANの政治セキュリティー協力は拡大し続け、経済貿易協力は盛んに発展を遂げており、人材、文化、社会分野での協力も著しい成果が実っている。これらの事実は、南海地域では領土係争や、地域外国家の干渉、協力メカニズムの不健全などの問題が存在しつつも、中国とASEAN諸国の交流等実務的協力は続いており、各国はその利益に浴していることを示すものだ。南海地域の平和・安定・協力・発展が各方面の最大の利益に合致するという点は、争いのない事実だ。今年は中国・ASEAN対話関係樹立25周年にあたり、9月にはASEAN輪番議長国ラオスの首都ヴィエンチャンで、中国・ASEAN対話関係樹立25周年記念サミットが開催される。中国はこれを契機に、中国とASEANの関係を更に促進したい」と述べました。
(中国国際放送局)
関連記事: