「ポジティブな要素は一層増えている。客観的にみれば、第1四半期の中国経済は幸先良いスタートを切ったと評価できる--」。中国国家発展改革委員会(発改委)の趙辰昕 報道官は13日の記者会見でこう指摘した。
2016年は中国の第13次5カ年(2016~20年、「十三五」)計画が始動する年にあたる。また、今年のスタートは年間経済成長率目標6.5~7%の実現にも関わっている。
発改委が13日に開いたマクロ経済データ発表記者会見で、中国経済に表れているポジティブな変化を趙報道官は「6つの上昇」で総括した。
(一)投資伸び率の上昇。1-2月の固定資産投資は10.2%増と、伸び率がここ1年で初めて前年同期を上回った。新規着工プロジェクトの投資額は41.1%増加し、月ベースとしては2010以降で最高を記録。3月もこうした傾向が続いている。
(二)全体的な物価水準の回復。食品価格の上昇などを受け、2月と3月のCPI(消費者物価指数)はともに前年同期比で2.3%上昇した。また、3月のPPI(生産者物価指数)は前月比で0.5%の上昇となり、14年1月以降で初めてプラスに転じている。前年同期比でも低下率は前月から0.6ポイント縮小した。
(三)企業利益が拡大に転じている。1-2月の工業企業(一定規模以上)税引き前利益は355億4000万元、率にしては4.8%の増加。月ベースのプラス成長は昨年6月以降で初めて。
(四)不動産市場の取引件数が顕著に回復。不動産市場の政策調整による影響もあり、一部都市で商品房(分譲物件)の販売が顕著に加速している。1-2月の全国の商品房販売面積と販売額はそれぞれ28.2%、43.6%増加し、伸び率は前年同期をそれぞれ21.7ポイント、29.2%上回った。