中山大学社会科学調査センターは6日、「中国労働力動態調査:2015年度報告」を発表した。人民網が伝えた。
以下、報告の概要。
〇労働力構成:就労者の平均就学期間は9.28年
2014年の時点で、若年層を中心とした就労者の年齢構成は、もはや過去のものとなった。就労者の平均就学期間はわずか9.28年、職業技術訓練の受講経験者や専門技術の資格(就業資格)証明を所持している割合は低い。生産年齢人口の多くは、過去の職歴を持っており、働いた経験のない人は2割を下回った。農村労働力の約4分の1(26.77%)は、農民工(出稼ぎ労働者)となった経験を持ち、4割以上(40.62%)が、今後も再び都市に出て就労する予定という。
〇オンラインで鉄道乗車券を買える農民工:わずか4分の1
中国の労働力のうち、「新聞・雑誌を読む」「携帯電話でショートメッセージやメールを送受信する」「銀行ATMで現金を引き出す」ことに全く問題がない人は半数を上回った。一方、オンラインバンキングやオンラインでの鉄道乗車券の購入も問題がないとした農民工は、4分の1あまりにとどまった。
〇就労収入:2014年の就労者平均収入は3万元
2014年、全国で所得のある就労者の平均収入は3万197元(1元は約19.2円)、2012年比実質成長率は9.1%。地区別に平均収入額を見ると、東部は3万3624元(2012年比10.5%増)、中部は2万6960元(同7.7%増)、西部は2万8246元(同8.4%増)だった。
〇世帯収入:格差は最大21倍
以前、あるネットユーザーが「自分は足手まとい」と自嘲する投稿を寄せた。この背景には、「所得格差」という問題がある。統計データによると、全国で世帯所得が上位20%のゾーンにある世帯の平均収入は15万3546元に達し、最低20%に留まっている世帯の平均収入都市部住民で最高収入ゾーンにある世帯の平均収入は、最低グループの約12倍、さらに農村との格差は27倍に達した。
〇男女別所得:総じて男性が女性を上回る
性別による収入状況の分析では、全体的に見て、全国であれ、都市・農村別であれ、給与所得であれ事業所得であれ、所得がある男性就労者の平均所得は軒並み、女性就労者を上回っており、極端な場合は2倍違う。全国の男性就労者の平均所得が3万3697元であるのに対し、女性は平均2万3288元。農村部住民の平均所得は、男性が2万8991元、女性が1万9567元。都市部住民の場合は、男性が4万152元、女性が2万8704元。
〇就労時間:最短は管理職と技術者
2012年から2014年にかけて、全国の就労者の就労時間は全体的に減少傾向にあった。通常の1週間あたり就労時間は、約50時間から約45時間と、11.28%減少した。
統計データによると、2014年、平均就労時間が最も長かった職種は個人経営者で、最も短かったのは管理職と技術者だった。
〇残業時間:残業率が最も高いのは外資合弁企業社員
従業員が残業する際の残業時間の長さと有償残業時間の割合はいずれも大幅に上昇したが、残業代の伸び率はそれに見合ったものではなかった。残業する就労者の60%は、「自らの意志で残業」しており、彼らが「自ら残業する」理由は、「残業代が入るから」が過半数を占めた。
残業する人の割合が最も高い職場トップ3は順次、外資・合弁企業(52.66%)、国有企業(39.39%)、党・政府機関(37.52%)だった。このうち、外資・合弁企業の社員の平均残業時間数は41.5時間に上った。
(人民網日本語版)
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