◆3. ハムやベーコンは発がん性を持つ?
デマ:世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)は10月26日、ハムやベーコンなどの加工肉製品は発がん性物質であり、発がん性の評価で最高レベルに分類されると発表した。
真相:WHOの「発がん性の評価」は、ある物質がヒトの発がんリスクを高めるという確かな証拠に基づき導き出される。最高レベルの「グループ1」に分類される発がん性物質には、確かな根拠が存在し、発がんリスクを高めることを意味する。しかしこれは、発がん性をどれほど高めるかを示すものではない。
次に、ハム、ベーコン、ソーセージが発がんリスクを高めることは、食品栄養界ですでに広く認識されている。米国のがん研究所によると、毎日50グラム前後のベーコンを食べれば、大腸がんになるリスクが約21%高まるという。ここで注意すべきは、リスクが21%高まるわけであり、21%の人が大腸がんになるという意味ではないことだ。例えばまったく食べない人のリスクを1%とすると、食べる人のリスクは1.21%ということだ。
◆4.寝る前の一杯の牛乳が睡眠を促進?
デマ:不眠症に苦しむ多くの人は、夜に牛乳を飲むことを好む。牛乳には人に疲れを覚えさせ、眠気を催す化合物「L-トリプトファン」が含まれるからだ。
真相:このトリプトファンとは、ヒトの身体が必要とする必須アミノ酸の一つだ。豊富なタンパク質を含む牛乳は、確かに肉類と同じくL-トリプトファンを豊富に含む。またL-トリプトファンも確かに、睡眠を誘うホルモン「5-ヒドロキシトリプタミン」とメラトニンを持つ。しかし少量の食品に含まれるトリプトファンは、身体のホルモンバランスを調整するには不十分だ。また牛乳のトリプトファンを脳に運ぶのは、想像するほど容易ではない。
牛乳を温める方が眠りやすいかについてだが、皮膚の温度上昇は確かにスムーズな眠りを促す。しかし一杯の牛乳ではそれほど皮膚の温度が上がらず、熱いシャワーを浴びたほうがよほど効果的だ。
(人民網日本語版)
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