29日早朝、FRBがタカ派発言をした。そのすぐ後、ニュージーランド準備銀行がハト派宣言をした。そして現在、グローバル市場の焦点は日本に移っている。日銀は30日に通貨政策会議を開き、声明を発表する。同日、日本は9月の失業率、給与所得者の家庭支出データ、全国CPIデータを発表する。世界の中央銀行が放水モデルを採用しようとしている中、日本版QEはどうなるのだろうか。
ブルームバーグは10月20日から26日にかけて、36人のエコノミストに調査を行った。それによると、今回の会議で日銀が緩和政策を拡大させると考えるエコノミストは44%だった。また日銀がETF(指数連動型上場投資信託受益権)を通じた購入額を増やして経済刺激策を採るとしたのが12名に上った。
2010年から始まったETF購入による日銀の市場関与だが、日銀が購入したETFの規模は、日本のETF市場の52%に上る。ETFの半分を占める日銀が、さらに日本の株を買い増すとでもいうのだろうか。
中国社会科学院日本研究所経済室主任で研究員の張季風氏は取材に対し、日銀はこれまで一貫して緩和策を続けてきたが、その理由は主に国内で心配されてきたインフレ問題にあると指摘する。データによると、8月における日本のCPI年率(原油を含み、食品を除く)は0.1%のマイナスだった。これは2013年4月以来のマイナス成長だ。エネルギーを除いたCPI年率でも0.8%のプラスに過ぎず、日銀が決めたインフレ目標から程遠い数値だ。
「物価を安定させつつインフレ率2%目標を達成することを望む。日銀は常に非常に大胆な通貨緩和政策を行っている」と財務大臣の麻生太郎氏は先ごろ、内閣府の会議で述べた。しかし、同時に彼は「通貨政策がインフレ率に及ぼす影響は限定的だ。現在の環境において、日銀の通貨政策だけではインフレ目標に到達することはできない」とも付け加えた。日本が29日に発表した9月の工業生産年率と月間生産率は予想通りで、日銀の緩和圧力がかなり緩んだ。具体的数値でみると、9月の月間工業生産率は1%で予想のマイナス0.6%より高かった。年率はマイナス0.9%で、これもマイナス2.6%を上回った。
ただし、日本経済は今年第2四半期にマイナスに転じ、第3四半期もマイナスになる可能性がある。多くのアナリストは、第3四半期でどんな数値が出ようとも、来年に2%のインフレ目標を実現させることはないだろうと考えている。
もし日銀がETFでの購入を増加させた場合、株式市場と日本円にどのような影響を与えるだろうか。張季風氏は「北京商報」の取材に対し、「おそらく日本の株価は再び上昇するだろう。1年前、日銀は意外にもETFの購入額を3倍に引き上げた。その後、東証株価指数は計21%も上昇した」と述べる。
しかし日銀の購入規模に比べて、株のETFの量は決して多くない。日銀の現在の年間ETF購入規模は3兆円に上る。シティバンクは、この金額を3倍に引き上げることが可能だと予測する。しかし張季風氏は、もし規模をさらに膨らませれば、ETF市場は最終的に流動性の枯渇を免れないと指摘する。
(チャイナネット)
関連記事: