アメリカのサイト「boredpanda」によると、チリのアタカマ砂漠は世界一乾燥している地域のひとつである。しかし南半球で春にあたる9月から11月になると大雨が降り、乾燥した砂漠が一面の花畑になる。
「砂漠に花」は気候現象の一種だ。降水量が最も多いとき、地下に眠る種まで雨水が届き、発芽を促す。それが春の時期であることから、土を破って咲き出す。今年のアタカマ砂漠の“花季”はハリケーン「パトリシア」の影響があった。
アタカマ国家観光局のダニエル ディアス氏によると、今年は砂漠の開花が2回起こった。これはチリで前代未聞のことだという。
同氏は、この奇妙な現象を極端な気候の変化のためと結論付ける。地域住民はこの現象が観光業に繁栄をもたらすと喜ぶ。2万人以上の観光客が砂漠を観光すると見込まれている。
花が咲く砂漠はここが唯一ではない。アメリカのユタ州にある砂漠も類似した現象が発生する。しかしアタカマ砂漠では200種以上の花が咲き、ほとんどがその地域独特のものだ。異なる花が次々に咲き、それに伴い昆虫や鳥類、トカゲが繁殖する。
この現象は、異常なほどの降水量と密接な関係がある。1997年、砂漠のそばにある2つの都市、バジェナールとピアポの降水量は、それぞれ平均値の9倍と4倍である。しかし、降水量が多すぎても植物の成長を制限することになる。
関連記事: