【新華社北京8月24日】中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)はこのほど、貸倒引当金が十分にあるという好条件を生かし、不良債権処分を強化することを求める文書を発表した。政策の最も主要な目的は銀行の「隠れ不良債権」の解決にあるとみられる。中国証券報が伝えた。
データによると、第2四半期(4~6月)末、銀行の不良債権引当カバー率は178・70%、貸倒引当率は3・33%で、いずれも基準値を上回った。交通銀行の連平チーフエコノミストは、関連政策の効果は下半期に出始めるとの見方を示した。 銀保監会のデータによると、第2四半期末、商業銀行の不良債権残高は第1四半期(1~3月)末より1829億元(1元=約16円)増加して1兆9600億元に達し、商業銀行の不良債権比率は0・12ポイント高まって1・86%に達し、不良債権引当カバー率は12・58ポイント低下した。
類別では、第2四半期末、農村商業銀行の不良債権比率は前期から1・03ポイント高まって4・29%に達した。国有銀行は2ベーシスポイント、株式制銀行は1ベーシスポイント下がり、市中銀行は4ベーシスポイント上がった。
恒豊銀行研究院の唐麗華研究員は「不良債権比率のリバウンドは、資産の質の実質的悪化によるものではなく、既存不良債権が急速に浮上したことによる」と語る。既存不良債権の認定が厳格化されれば、各種の貸倒引当金の計上比率が上がる。業界の不良債権引当カバー率は依然として高い水準にあり、既存と潜在的な信用リスクのもたらし得る損失に対しては、銀行のリスク補償能力は適正な範囲にある。
半期決算または業績速報を発表した上場銀行を見ると、多くは資産の質が好転した。華泰証券大金融の沈娟上席研究員によると、下半期は、小規模・零細企業の融資増を注視する必要がある。小規模・零細企業の融資が増え、経営安定性が改善すれば、資産の質の回復が望まれるようになる。大型銀行の資産の質の回復に促され、業界全体の不良債権は今年、安定傾向を保つ見込みだ。
連平チーフエコノミストは、銀行の不良債権比率は通年で1・7%~1・9%で推移し、大幅な上昇は現れにくく、貸倒引当率は小幅に下落する可能性があると予測している。
当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。
推薦記事