【新華社リオデジャネイロ8月23日】「中国の改革開放政策の実施から40年、中国の発展は誰の目にも明らかで、世界をも変化させている。中国の開放が世界の平和発展に大きな貢献を果たしていると言える」。ブラジル中国・アジア太平洋地域研究所の所長で、セベリノ・カブラル教授はこのほど、新華社の単独インタビューでこう述べた。
カブラル教授はブラジルの複数の大学と研究機関で国際関係の研究を行っており、中国の発展が国際情勢、特にブラジルとラテンアメリカに与える影響に注目している。カブラル教授は「中国は農業主体の国から世界第2位の経済大国に変わったという事実は中国開放の実績を示すものだ。同時に、中国の発展は世界を変化させている。世界の経済・政治機関で中国が発揮する役割はますます大きくなり、世界の舞台で発展途上国のため、より大きな声を発する」と述べた。
カブラル教授は、世界の平和発展で何よりも重要なのは共同発展だと考える。同教授は「まず、中国の開放は中国と世界をつなぎ、中国の発展を世界の発展の軌道に乗せている。中国は経済成長で大きな成果を収めても、他の発展途上国を忘れず、覇権主義をとらず、世界を一つの共同体とみなしている。中国がこの数年、提唱している『一帯一路』(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)構想は共同発展を目指す正しい道だ」と述べた。
カブラル教授はまた、中国が発展を続ける中で、多国間の問題について発揮する役割に触れ、「経済から政治まで、世界貿易機関(WTO)から国連気候変動枠組み条約まで、中国は発展途上国の権利を守ってきた。ブラジルの参加するBRICS枠組みで、中国は他の新興国と共に、開放型経済を推進し、貿易保護主義に自発的に対抗している」と述べた。
カブラル教授は「中国の発展は現在、内陸地域まで広がっている。中国訪問で、われわれは重慶などの内陸都市に、多くの国際企業が進出しているのを見た。『西部建設』は紙面上の話ではない。『社会主義新農村』建設は都市と農村の格差を縮めた。都市と農村の格差が大きいラテンアメリカの現状とは明らかに対照的だ。われわれは中国の経験に学びたい」と指摘した。
カブラル教授はまた、科学技術の進歩による工業化プロジェクト推進の具体的な事例では、新しい時期が直面する多くの新たな課題を述べ、「第四次産業革命は科学技術のイノベーションの主導によるもので、人口が多い中国は世界一多い消費者、膨大な労働者を擁している。機械が人の代わりになる動きが広がるにつれ、雇用問題の解決が課題となってくる。このため、中国と世界中の他の発展途上国は新しい産業革命でどのように生産を見直し、持続的な発展を求めるかを話し合うことができる」と述べた。
欧米諸国が「中国がアフリカとラテンアメリカで原材料を買いあさり、地元の資源を略奪している」と非難したことについて、カブラル教授は「台頭する中国が欧米諸国によるこれらの市場の独占を打破した中、こうした声はおかしくない。中国の対ラテンアメリカ投資や貿易は現地の発展にプラスで、資源開発と並行し、雇用を増やし、インフラを改善し、ラテンアメリカ地域の長期的発展のための基礎を築いている」との認識を示した。
カブラル教授はさらに、「科学技術を見れば、中国とブラジルが協力する地球資源衛星プロジェクトは今年で30周年となり、南南協力の手本となっている。双方はまた、ナノテクノロジーやインターネット開発、光ファイバー、海洋石油掘削などの高度・精密・先端分野で協力を行っている」と述べた。
将来を見通して、カブラル教授は「中国とラテンアメリカの協力には大きな可能性がある。既存の経済貿易やインフラ整備などの協力のほか、双方は科学技術や人文、スポーツなどの面でも非常に多くのチャンスに恵まれている」と指摘。さらに、「中国はラテンアメリカと遠く離れているとはいえ、学者や記者たちは中国の現状を客観的に伝える責任を担っている。インターネットの発展も双方の理解を増している。中国の経験はよりよく伝わり、ラテンアメリカ諸国はより早く利益を得る」と述べた。
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