【新華社西安8月3日】1987年に中国陜西省扶風県にある法門寺の地下宮殿から出土した唐代の鎏金銀亀盒(りゅうきんぎんきごう)はこれまで、一種の茶器であると考古学界で広く考えられてきた。しかし、法門寺博物館文博館員の毛小東氏は研究と検証の結果、この国家指定一級文化財の真の用途は香炉であるとの見解を示した。
この唐鎏金銀亀盒は、箱の長辺は28・3センチ、短辺は15センチ、高さは13センチ、重さは820・5グラム。外観は亀の形で、鼻と口の中間と両脇に透かし彫りの穴が開けてある。甲羅がふたになっており、内側は空洞で、首を上に向かって伸ばし、力強い4本の足を持つ姿は、今にも歩き出しそうな様子だ。「甲羅」を開けると見える内側にこびりついた数カ所の黄褐色のシミのような跡が、毛小東氏の注意を引いた。同氏は中で香をたいた時にいぶされてできた色ムラだと考えている。
法門寺博物館文博館員 毛小東氏
鎏金銀亀盒の頭部の5カ所の透かし彫りの穴や、内側のいぶされてできた色ムラは、香炉が持つ特徴だと考えられる。特に前部の5カ所の透かし彫りの穴は、茶器(の密封保存の特性)には適さず、むしろ香炉に適している。香炉なら香料が燃えて、前部の穴から香の煙が出て来るからだ。
【解説】繰り返し複製品で実験を行って検証を重ねた結果、同氏は、唐鎏金銀亀盒の用途は茶を保存する茶器ではなく、本当の用途は香炉で、名称を「唐鎏金銀亀香炉」に変更した方がより正確だとする見解を示した。
法門寺博物館文博館員 毛小東氏
だから、「千年の金の亀は誤って茶器と見なされてきたが、香を吸って煙を吐いたら、遂に身の上が明らかになった」ということ。30年前には皆、小さな金の亀は茶を保存する茶器だと思ったが、30年後に本当は香の煙を吸って吐く小さな金の亀だということが分かった。(記者/付瑞霞)
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