【新華社武漢8月2日】高速鉄道が飛ぶように走り、原子力発電所が稼働している今日、突然地震が発生したらどうするか?地震警報にはどんな意義があるか?記者がこのほど武漢地震科学儀器研究院の陳志高院長にインタビューした。
陳院長は、「地震警報は地震予報ではない。地震予報は地震が発生する前に伝えるものだ。地震警報とは地震がすでに震央で発生したことを指している。また、警報システムは電波と地震波の速度差を利用し、地震の影響を受ける可能性のある他の地域に警報を発する警報を指す」と語った。
地震警報システムは、震央付近の被災地に住む人々に事前に警告を発することはできないが、高速鉄道の運行には極めて大きな意義を持つ。ここ数年、陳院長は中国地震局地震研究所と地震警報湖北省重点実験室を通じて、高速鉄道の地震観測監視警報システムの研究開発業務を遂行し、完成させた。また、「観測所2カ所」の設計案を提起することで誤作動問題を解決し、中国高速鉄道の地震観測警報分野の空白を埋めた。
研究院のサンドテーブルモデルの前で、記者が模型をたたいて地震と同じような状況を作り出すと、サンドテーブルの上を走る高速鉄道は直ちに停止した。
陳院長は、「警報システムは1分1秒を争うものだ。地震発生時の初期には非破壊的なP波(縦波)が放射されるが、破壊的なS波(横波)は伝播速度が比較的遅いため、10~30秒遅れて地表に到達する」と述べている。
陳院長によると、まさにこのメカニズムに基づいて、地下深くにある地震計がP波を観測するとコンピューターに送信され、コンピューターが直ちにマグニチュード、震源、震央を割り出し、S波が地上に到達する10~30秒前に、警報システムにより警報が発せられる。また、電磁波は地震波より伝播速度が速いため、電磁波を利用した警報でもS波が到達する前に警報を発することができるという。
陳院長は、「地震発生後3秒以内に警報を発することができれば、死傷者を14%減らせることが理論研究で明らかになっている。現在、我々の最新の研究開発成果では、地震による揺れが到達する数十秒前に警報を発することが可能だ」と述べ、地震情報を活用して地震災害に合理的に対応できれば、警報の効果の範囲内にある高速鉄道や石油・ガスパイプライン、化学工業といった産業の安全面に比較的大きな効果があるだろうと主張した。
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