【新華社ハルビン7月29日】人は虎を「百獣の王」と呼ぶが、体格が大きく、どう猛な東北虎(アムールトラ)は王者の風格をより一層備えている。中国はこの世界絶滅危惧動物を救うため、世界最大の人工飼育繁殖基地を設立した。
中国黒竜江省にある横道河子猫科動物飼育繁殖センターの劉丹氏副主任は、人工飼育繁殖のアムールトラは、ただ数を増やせば良いのではなく、厳格なコントロールのもとでより優れた個体を選ぶ必要があると語る。同センターで毎年生まれるトラの子は、全て遺伝子検査を基礎に繁殖された優秀な子孫だという。センターで飼育するトラは、当初の8頭から、現在1300頭余りに増え、国家級アムールトラ遺伝資源保存庫と中心個体群を確立した。
同センターはこの32年間、アムールトラの野生復帰を目指し、困難かつ紆余曲折した道のりを経てきた。野生復帰はトラ飼育員と研究スタッフの長年の夢だった。
人の手による飼育と繁殖が危機に瀕するアムールトラは、参考にできる既成の技術がほとんどなかった。トラの習性や成長過程、繁殖などに対する理解は、飼育員がトラと絶えず一緒にいることで、一つ一つ積み重ね、受け伝えてきたものだ。
今年は中国が天然林資源保護プロジェクトを実施して20年目となる。東北森林地域の生態系の回復とアムールトラの人工飼育保護は順調に進展し続けており、アムールトラが王者として野生に「帰還」するのもそれほど遠いことではないだろう。
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